足立としゆき夢だより【第291号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

8月になりました。昨日、北陸や東北南部で梅雨明けが宣言されました。
関東以西では連日40℃近い猛暑が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて、7月 25 日(木)から26日(金)にかけて、山形県の酒田市、新庄市、遊佐町、庄内町、舟形町、鮭川村、戸沢村で大雨特別警報が発令されるなど、梅雨前線の活発化による記録的な大雨となりました。
総降雨量は多いところでは500mmに達し、子吉川上流の大清水雨量観測所では、総雨量559mmを記録したほか、最上川流域の差首鍋(さすなべ)など3箇所の雨量観測所で総雨量400mmを超え観測史上1位を記録する、過去に経験のない降雨となりました。これにより、最上川の古口水位観測所や子吉川の明法水位観測所など15箇所で観測史上最高水位となる記録的な出水となりました。
これにより、山形県と秋田県で水害・土砂災害などによる甚大な被害が発生しました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
また、今回の災害でも、山形県、秋田県をはじめ建設産業の皆さんが、出水時の対応や緊急復旧工事に24時間体制で取り組んでこられましたことに、心から敬意を表しますとともに感謝を申し上げます。

これを受けて、7月30日(火)、山形県、秋田県の被災地に伺いました。

まず、庄内空港から遊佐町出戸に向かい、日本海沿岸東北自動車道の下り車線で道路の片側車線が30mほどにわたって陥没しており、通行止めとなっている現場に伺いました。法面が大きくえぐれ、ブルーシートで応急措置がなされていました。路面排水では吐き切れないほどの雨に見舞われ、排水枡の末端から洗掘されたように見えましたが、原因究明が待たれます。
なお、山形県建設業協会酒田支部の高橋支部長、林建設工業の林社長などにご同行いただきました。

次に、酒田市八幡総合支所で矢口酒田市長と高橋市議会議員、阿部建設の阿部社長、庄司酒田建設業協会事務局長などに合流いただき、日向川支川の荒瀬川の被災現場に伺いました。今回の雨では、頻繁に水害が発生している最上川の上中流域ではそれほど大きな雨は記録していませんが、新庄地域や庄内地域など中下流域で総降水量400.0㎜、1時間降水量67.5㎜、24時間降水量356.5㎜など、過去最大の降雨を記録しました。この雨により荒瀬川の越水など大きな被害を受けた酒田市の大沢地区に伺いました。

なお、荒瀬川の沿川は谷地形となっており集落や農地が広がっていますが、谷全体を氾濫流が流れたような状況で、土砂と流木で多くの住宅が床上浸水しており、住民の皆さんが片付けに追われていました。
なお、水管橋が被災して橋梁の歩道部に架設水道管が敷設されている箇所もあり、懸命の復旧作業の様子がうかがえました。
現地では、建設業協会の丸高、林建設工業、阿部建設の皆様が応急復旧にあたっていました。

次に、戸沢村高屋駅付近で通行止めとなっている国道47号の道路崩落現場に伺いました。最上川本川左岸の水あたり部が大きく洗掘され、通行止めの措置がなされており、現状では112号の月山道路など広域の迂回が余儀なくされているとのことでした。
道路が崩落した区間は通行止めとなっていたため、その区間は歩いて移動しました。
なお、現場で復旧作業を行っている柿崎工務所の大場さんからお話を伺いましたが、まずは、モルタル吹き付けで動きを止めた後、法面の基礎の部分から盛り立てを行うことになるとのことでした。現地でご説明いただいた山形河川国道事務所の森田所長からは国道47号は重要な道路であり、2週間程度で片側交互通行でも供用できないか検討しているとのことでした。とにかく、早急な対応が必要と考えられました。
なお、現地では山形県建設業協会の柿崎新庄支部長、佐原専務理事、伊藤事務局次長にご同行いただきました。

次に、戸沢村蔵岡地区に伺いました。現地で加藤戸沢村長、荒川副村長に合流いただき、新庄河川事務所の今森所長に状況説明をいただきました。また、山形県建設業協会の柿崎元副会長に合流いただくとともに、柿崎支部長、佐原専務理事にもご同行いただきました。
現地では、国道47号と共用の左岸堤防が一部欠損していましたが、すでに応急の盛り土は完了していました。

加藤村長から当日の状況などお聞かせいただきましたが、この地区は頻繁に浸水被害に見舞われている地区ではありますが、今回は住宅のほとんどが2階の高さまで水没するなどこれまでにないほどの浸水深となり、自宅の2階などに避難した住民およそ40人が取り残されたとのことでしたが、人的な被害が無かったことは幸いであったと思います。なお、これまでの既往最高水位を大きく上回る水位が予測されたことから、今森所長からのホットラインで避難指示を発令したことなど、加藤村長から緊迫した状況もお聞きすることができました。
なお、今回の被害は大変大きく、再度災害防止の観点からは、この地区の再建をどのようにしていくのか、住民の皆さんからは集団移転したいとの声もあると聞きますので、その可能性も含め、難しい判断となるのではないかと思います。

最上川水系の河川整備基本方針については、気候変動を踏まえ順次見直しがなされると考えられますが、今回の洪水を踏まえてどのように抜本的な対策を講じていくのか、国土交通省にはしっかりと検討していただきたいと思います。

戸沢村を出る際に山形県建設業協会新庄支部の川田副支部長に合流いただき、鮭川村川口地区や京塚地区の土砂崩れ現場に伺いました。現地で元木鮭川村長に合流いただき、当日の状況などお聞かせいただきました。いたるところで、住宅等の裏山の急傾斜地危険区域の斜面が崩れており、擁壁を乗り越えた土砂により家屋が押し出され、崩壊している箇所も多数ありました。なお、住民には避難指示が出ており、皆さんが避難していたことで人的被害がなかったことは幸いだったと思います。

次に、ニュースでも何度も映された新庄市本合海の新田川にかかる橋の近くでパトカーごと2人の警察官が流された現場に伺いました。2人の警察官の方々には、残念な結果となりました。心からお悔やみを申し上げます。
現地は田園地帯でなだらかなところですが新田川が決壊した地点から大量の濁流が流れ込み、通行中の車両を押し流したとのことでした。既に水は引いてのどかな水田が広がっており、なんでこんなこところで犠牲者が出るのかという思いもしましたが、今でも被災した車が数台取り残されたままになっており、平時とは全く異なる水の恐ろしさを感じました。

続いて、秋田県に移動し、「道の駅おがち」で秋田県建設業協会の渡辺専務理事と合流し、由利本荘市の子吉川右岸、支川石沢川左岸の堤防決壊箇所に伺いました。
現地で秋田県建設業協会の北林会長に合流いただき、国土交通省秋田河川国道事務所の松本所長にご説明いただきました。
まず、直轄管理区間の子吉川の右岸10.4k付近の湯の沢川合流部の破堤箇所を対岸から視察しましたが、約70mに渡り破堤したとのことで、現地では村岡建設工業の皆さんによる堤防の仮締切り工事が行われており、盛り土はほぼ完了していました。村岡建設工業の村岡社長からお話を伺いましたが、幸いここでは農地が浸水したのみで、住宅等への大きな被害はなかったとのことでした。

続いて、直轄管理区間の子吉川支川の石沢川の左岸1.0k付近の破堤箇所に伺い、間近で破堤箇所を見ることが出来ました。ここでは約60mに渡り破堤したとのことで、破堤地点でよく見られる「落ち掘れ」も見られました。
現地では山勇建設工業の皆さんによる堤防の仮締切り工事が行われており、盛り土はほぼ完了していました。山勇建設工業の猪股社長にもお話を伺う事が出来ましたが、ここでも浸水したのは農地のみとのことでした。
上流の県管理区間にも5カ所の破堤箇所があるとのことでしたが、現地に立ち入ることは困難とのことで断念せざるをえませんでした。
なお、国土交通省の松本所長の話では、今後、子吉川堤防調査委員会において、破堤原因や本復旧工事について検討していくとのことで、早期にしっかりとした堤防復旧をお願いしたいと思います。

また、建設工事中の子吉川本川上流の鳥海ダムについても、完成していれば子吉川本川や支川の石沢川の水位低下効果が見込まれますので、被害軽減効果があったと考えられます。鳥海ダムの早期完成が望まれます。

今回の現地調査の日程調整をいただきました山形県、秋田県の両建設業協会の皆様、そして現場で対応していただきました皆様には、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

なお、今回の山形県、秋田県の被災地の視察を踏まえ、今後、求められる対応は次の通りと考えます。

・激甚な水害に見舞われた河川では、再度災害の防止に務める必要がある
・温暖化の影響に伴い水害・土砂災害が激甚化しており、事前防災への取り組みを強化するため、気候変動の影響を考慮した河川整備基本方針、河川整備計画の見直しを加速する必要がある
・広域迂回を余儀なくされるような重要な道路の区間ついては、事前の防災対策を行い、あらかじめ信頼性の高い道路整備を進める必要がある
・鳥海ダムのような貯留施設は、下流において水位低下効果が見込まれるため、着実に整備を進める必要がある

以下、最近の動きを報告します。

【国会の動き】

国会では特に動きはありませんでした。

【自民党の動き】

7月22日(月)、自民党法務部会の視察で、出入国在留管理庁の茨城県牛久市の「入国者収容所東日本入国管理センター」と、千葉県成田市の「成田空港支局」の入国管理の状況を視察させていただきました。
入国者収容施設は、日本から退去する外国人を送還するまでの間、一時的に収容するための施設で、収容時のトラブルや飛行機による強制送還時のトラブルなど、ご苦労の一端を説明していただきました。大変な業務であるということを改めて認識させていただきました。

【都内の動き】

7月19日(金)、「ミクロネシア大統領歓迎レセプション」に、妻とともにご招待いただき、柘植芳文国土交通副大臣、ミクロネシア友好議員連盟の古屋圭司会長らとともに出席をさせていただきました。大統領は、大変気さくな方で、ご一緒に記念写真も撮らせていただきました。

8月1日(木)、全国建設産業団体連合会の来年度予算編成に向けた要望活動で、石津会長 (茨城)、千葉副会長(宮城)、竹上副会長(三重)、山本副会長 (福井)、小﨑副会長(京都)、中筋副会長 (島根)に、根本匠東日本大震災復興加速化本部長と森山裕総務会長への要望を行っていただきました。私も、佐藤信秋参議院議員とともに同行させていただきました。

続いて、東京ビックサイトにおいて開催されている日本下水道協会主催の「下水道展’24 東京」に伺わせていただき、国土交通省の吉澤下水道事業課長、日本下水道協会の岡久理事長、中島常務理事等にご案内をいただきました。
今年は351の企業・団体が出展され、ウォーターPPPなど最新技術を活用した維持管理や、光硬化工法を用いた管渠の再生技術、メンテナンス等の情報化、頻発する豪雨、地震等に備えるための対策等が展示されていました。本年4月に水道行政が国土交通省に移管されましたが、上下水道は、国民生活に重要なインフラであり、水の需要減少、施設の老朽化、人材不足等を踏まえ上下水道一体での効率化などに取り組んでいくことが求められています。
ご案内いただいた皆様に感謝を申し上げますと共に、今回は限られた時間でしたので全てのブースを見ることは出来なかったこと、お詫び申し上げます。

【地方の動き】

7月18日(木)、静岡県清水町で開催された「狩野川放水路改築促進シンポジウム」にご地元の勝俣孝明衆議院議員,細野豪志衆議院議員、若林洋平参議院議員、鈴木静岡県知事、佐藤中部地方整備局長らとともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
狩野川は、中部地方整備局長をしていた平成23年に沿川で内水による浸水被害を生じましたし、1000人を超える死者が出た昭和33年の狩野川台風の再来といわれた令和元年の台風19号の際にも水害が発生するギリギリのところまで水位が上がって来るなど、治水対策の推進が喫緊の課題となっています。
このため、令和5年8月に河川整備基本方針が変更され、洪水放流能力を拡大することとされており、昭和40年に完成した狩野川放水路の放流能力をどのように拡大するのか、トンネル断面積を拡大するのか、もう一本掘るのか、検討が急がれます。担当している沼津河川国道事務所の辛島所長の頑張りに期待したいと思います。

7月18日(木)、島根県松江市に移動し、「全国管工事業協同組合連合会」の令和6年度全国大会に出席し、藤川会長に続いて国土交通省の松原上下水道審議官とともにご挨拶をさせていただきました。今年度から、水道行政が厚生労働省から国土交通省に移管され、水道行政と下水道行政が一元化されとおり、私からは、皆さんがその効果を実感できるよう取り組むようお願いしました。
なお、引き続き懇親会が賑やかに開催され、ご地元の高見康裕衆議院議員、三浦靖参議院議員からもご挨拶をいただきました。
なお、全管連の粕谷専務は大学の同期で、厚生労働省で長年勤務をされましたが、かつて建設省で一緒に勤務をした仲間でもあります。

7月21日(日)、高知県いの町で開催された「宇治川総合内水対策事業竣工式」に尾崎正直衆議院議員、中谷元衆議院議員、梶原大介参議院議員、濵田高知県知事、池田いの町長をはじめ流域の市町村長、四国地方整備局の豊口局長、藤本河川部長らとともに出席し、国・県・町が連携した「流域治水」の先駆けのような事業の完成に、お祝いのご挨拶とくす玉開披、もち投げを執り行わせていただきました。暑い中、一万個を超えるもち投げに大量の汗を流しました。

7月22日(月)、盛岡市で開催された「東北建設業青年会通常総会」の懇親会に、岩手県建設業協会の向井田会長とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
木下会長(岩手県)をはじめ令和6年度の新役員のご紹介があり、木下会長から力強いご挨拶をいただくとともに、東北各県の建設業青年会の皆様と北海道建青会の皆さんと、親しく意見交換が出来ました。

7月23日(火)、熊本市に伺い、佐藤信秋参議院議員の後継として活動を始めておられる見坂茂範さんに、熊本県建設業協会の前川会長とともに同行させていただきました。
まず、自民党熊本県連に伺い、熊本県議の前川会長、松田幹事長にお会いしてご挨拶をさせていただきました。続いて、集まられた自民党県議の皆さんと意見交換をさせていただきました。
続いて、熊本県建設業協会の熊本支部、建築部会、舗装部会の皆さんとお会いしてご挨拶をさせていただきました。
次に、私も日頃からお世話になっている熊本県町村会長の竹﨑芦北町長にお会いしてご挨拶をさせていただきました。
続いて、熊本県建設産業団体連合会の各団体の会長、役員の皆さんにお集まりいただき、来年が改選期になるご地元の馬場成志参議院議員にもご参加いただきご挨拶をいただくとともに、私もご挨拶をさせていただきました。
いずれの場でも見坂さんから決意のご挨拶をいただき、大いに盛り上がりました。

続いて翌7月24日(水)、熊本県内北部の荒尾・玉名地区、鹿本・菊池地区、阿蘇地区の3地区を見坂茂範さん、熊本県建設業協会の前川会長と同行させていただき、各地で応援のご挨拶をさせていただきました。なお、阿蘇地区では佐藤阿蘇市長にも足を運んでいただきました。ありがとうございました。

7月25日(木)、栃木県宇都宮市で開催された「栃木・茨城・群馬三県建設業協会合同会議」後の懇親会に、栃木県の谷黒会長、茨城県の石津会長、群馬県の青柳会長をはじめ各県の役員の皆様とともに出席し、この日に来年の参議院議員選挙の全国比例として自民党の公認が発表された見坂茂範さん、福田栃木県知事とともに、ご挨拶をさせていただきました。

7月26日(金)、福井市で「全国建設青年会義第29回全国大会第3回準備会IN福井」(プレ大会)後の懇親会が開催され、出席しました。
懇親会のオープニングセレモニーでは、全米大会優勝を達成している福井商業高校チアリーダー部「JETS」の力強いパフォーマンスで「笑顔や勇気」を届けていただきました。
懇親会では、辻広大会会長(福井県)の開会挨拶後、ご地元の中村副知事に続いて私からもご挨拶をさせていただきました。
また、懇親会前に開催された講演会では、大先輩の大石久和さんの講演や、見坂茂範さん(前近畿地方整備局長)と藤井聡さん(京都大学教授)のトークセッションも行われ好評を博しており、引き続き懇親会にも出席されていました。
続いて、福井県建設業協会の山本会長からの気迫ある乾杯の音頭で懇親会がスタートしました。
なお、飛び入りでご地元の滝波宏文参議院議員も参加され、ご挨拶がありました。