足立としゆき夢だより【第288号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

6月7日(金)、皆さんの期待を集めていた「建設業法と公共工事入札契約適正化法(入契法)」の改正案が、参議院本会議で可決・成立しました。
これに続き、6月12日(水)の参議院本会議で、「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の改正案が、可決・成立しました。

建設業法と入契法の改正では、著しく低い労務費による見積りの禁止など「労働者の処遇改善」、「資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せの防止」、工期ダンピング対策の強化やICTの活用など「働き方改革と生産性向上」などが盛り込まれています。

一方、品確法の改正では、休日の確保状況や労務費・賃金の支払い実態を国が把握・公表するなど「担い手確保のための働き方改革・処遇改善」、適切な入札条件等での発注の推進や災害対応力の強化など「地域建設業等の維持に向けた環境整備」、新技術活用の適切な評価と予定価格への反映など「新技術の活用等による生産性向上」、「公共工事の発注体制の強化」などが盛り込まれています。また、併せて測量法が改正され、測量士等の養成施設や資格に係る要件の柔軟化など測量業の担い手確保に向けた施策が盛り込まれました。

これらにより、建設産業における働き方改革や建設分野の賃金アップなどが円滑に行われることが期待されます。法改正の実務を担当された国土交通省等の関係の皆さんのご尽力に心から感謝を申し上げます。

今後は国土交通省等により施行通達等が順次発出されていくことになりますが、官民の連携と協力により、これら法改正の初期の目的が達成されるよう、適切な運用をお願いしたいと思います。

以下、最近の動きを報告します。

【国会の動き】

6月6日(木)、財政金融委員会が開催され、6月4日(火)に続いて「事業性融資の推進等に関する法律案」について質疑が行われ、その後、採決を行い可決されました。

6月7日(金)、参議院本会議で、青木愛国土交通委員長から「建設業法及び公共工事の入札契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」について委員長報告があり、それを受けて採決が行われ、可決・成立となりました。
その後、私から「事業性融資の推進等に関する法律案」について参議院本会議で委員長報告を行い、採決の結果、賛成多数で可決・成立となりました。
これで、今国会で予定されていた財政金融委員会所管の法案6本、すべてを可決・成立させることができました。ご支援、ありがとうございました。

6月11日(火)、参議院の財政金融委員会の視察で、東京都北区西ケ原の「独立行政法人国立印刷局」の東京工場に伺いました。
7月3日から流通する渋沢栄一さんの新一万円札、津田梅子さんの新五千円札、北里柴三郎さんの新千円札の印刷現場を視察することができました。ご案内いただきました大津理事長はじめご調整いただいた財務省の皆さんに感謝申し上げます。

その他、参議院本会議、参議院財政金融委員会の理事会、理事懇談会などに出席しました。

【自民党の動き】

6月5日(水)、自民党の国土交通部会が開催され、「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨子案)」について議論が行われました。
続いて、自民党の政調全体会議が行われ、同じく経済財政運営と改革の基本方針2024(骨子案)について意見聴取が行われました。
いずれの場でも、私からは「日本のように毎年毎年甚大な災害に見舞われるような国は他にはないことから、防災・減災、国土強靭化予算について、実施中期計画の早期策定と、必要かつ十分な所要額の確保を図ること」、「交通物流ネットワークについて、欧米のみならずアジアの国々にも劣る貧弱な状況であり、高速道路、鉄道、空港、港湾などの充実・強化を図ること」など、訴えさせていただきました。

6月6日(木)、自民党の「国土強靱化推進本部 国土強靱化の着実な推進に関するPT」が開催され、能登半島地震をはじめとした昨今の自然災害の教訓を踏まえた各府省庁の取組状況について報告がありました。私からは、のと里山海道の高規格化、津波防潮堤の整備、水道水源の分散化と水道施設の老朽化対策の推進など、意見を申し上げました。

続いて、「自民党国会議員と都道府県トラック協会会長等との懇談会」が開催され、数多くの衆参国会議員の先生方とともに出席しました。

6月7日(金)、自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」が開催され、リニア中央新幹線の整備状況について、ご説明がありました。ご出席の大村愛知県知事、鈴木静岡県知事、阿部長野県知事、古田岐阜県知事、一見三重県知事は、いずれも中部地方整備局長等として大変お世話になった方ばかりです。事業の促進をお願いしましたので、よろしくお願いいたします。

6月12日(水)、自民党の「国土交通部会」や「政調全体会議」で、骨太方針と呼ばれる「経済財政運営と改革の基本方針2024」(原案)について意見交換が行われました。私からは、「防災・減災、国土強靭化」の実施中期計画の早期策定、国家公務員の災害対応など行政の重要課題に対応したメリハリある定員管理、デフリンピックやワールドマスターズゲームなどの推進、能登半島地震に関連して水道施設の老朽化対策と水源の多重化、避難民が戻りたくなる昔のたたずまいを再生する街づくりの推進などを訴えました。
これらについては一定程度反映されましたので、部会長の佐々木紀衆議院議員をはじめ内閣府、国土交通省、スポーツ庁、内閣人事局のご担当の皆様のご努力に感謝します。

続いて、自民党の測量設計議連の「業務領域拡大PT打合せ」が行われ、今年度の取り組み方針について意見交換が行われました。提案された講習会や展示会など、ぜひ実現したいものです。

その他、参議院の議員総会、政策審議会、自由民主党の国土交通部会、中村浩之君を励ます会、鈴木貴子政経セミナー、渡辺博道君と明日を語る会、水道事業促進議員連盟及び下水道事業促進議員連盟の役員の意見交換会などに出席しました。

【都内の動き】
6月5日(水)、「日本電設工業協会」の懇親会に出席し、山口会長、堂故茂国土交通副大臣に続いてご挨拶をさせていただきました。ご配慮、ありがとうございました。

6月6日(木)、「日本橋梁建設協会総会」後の懇親会に出席し、川畑会長のご挨拶に引き続き、佐藤信秋参議院議員、私、見坂茂範元近畿地方整備局長の順でご挨拶をさせていただきました。
見坂さんからは、今後に向けて決意のご挨拶をいただきました。
続いて、「全国土木部長会叙勲祝賀懇談会」に出席し、橋建協と同様、佐藤信秋参議院議員、見坂元近畿地方整備局長らとともに、ご挨拶をさせていただきました。
さらに、「国土交通省和歌山県人会」に遅れて参加し、ご挨拶をさせていただきました。ちなみに、現会長の森戸さんの前の県人会長が伊藤明子さん、その前の県人会長が私でした。

6月7日(金)、「全国生コンクリート工業組合連合会 関東二区地区本部 通常総会」に出席してご挨拶をさせていただきました。なお、山浦会長は息子の嫁の親戚筋にあたります。
続いて、「日本水道工業団体連合会 懇親会」に出席し、ご挨拶をさせていただきました。水道行政と下水道行政が国土交通省所管に一元化されたこと、とても嬉しく思っており、感謝のご挨拶をさせていただきました。

続いて、「特撮とダムの特ダム!ナイト~第二夜/デカいダム!撮影の聖地化計画~」に国土交通省のOBでダムマニアの三橋さんからお声がけをいただき参加しました。「ダムは特撮のロケ地にうってつけなど、とても興味深いお話をうかがうことができました。ありがとうございました。

6月12日(水)、国土交通省OBで構成される「全国建交会」の総会が開催され、会長が東北の渥美さんから九州の森川さんに交代となりました。懇親会では、佐藤信秋参議院議員や私とともに、次期参議院議員選挙を目指して活動を開始されている見坂さんが紹介され、ご挨拶をされました。

6月13日(木)、全国街路事業促進協議会総会に出席し、多くの衆参国会議員の皆様とともにご紹介をいただきました。

続いて、日本インフラ空間情報技術協会の懇親会に出席し、高木宏壽衆議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。四国地方整備局長の頃からお世話になっている矢田部理事長や総会で講演をされたチャン先生と意見交換をさせていただきました。

続いて、日本砂利協会全国大会、建設産業専門団体連合会の懇親会に出席し、佐藤信秋参議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。

その後、日本技術士会の懇親会に出席し、本田顕子文部科学政務官、山東昭子参議院議員、斉藤鉄夫国土交通大臣、石井啓一衆議院議員に続いて、衆参国会議員の皆さんとともにご紹介をいただきました。私は、与党技術士議員連盟の幹事長を拝命しており、技術士の地位向上等に取り組んで行きたいと思っています。

6月14日(金)日本建設機械施工協会の総会後の懇親会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。

【地方の動き】

6月8日(土)、北海道白老町に2020年7月に開館した「民族共生象徴空間 ウポポイ」に伺いました。
アイヌの歴史とアイヌ文化を主題とした日本国内初の「国立博物館」と、体験型フィールドミュージアムの「国立民族共生公園」からなるアイヌ文化を紹介する貴重な施設で、開館以来、コロナもあって伺うタイミングを失していましたが、今回、初めて実現したものです。
ユネスコ無形文化遺産に登録されている「アイヌ古式舞踊」なども拝見することができ、アイヌ文化の一端を見させていただくなど貴重な体験をすることができました。なお、愛称「ウポポイ」は、アイヌ語で「大勢で歌うこと」を意味しているそうです。
ご案内いただいた開発局開発監理部小林次長、米津建設部長、アイヌ民族文化財団對馬副理事長に感謝申し上げます。また、北海道開発局OBの関さんにもご同行いただきました。ありがとうございました。

6月9日(日)、北海道三笠市で開催された「新桂沢ダム竣工式」に出席しました。
この事業は、北海道開発局が管理する高さ63.6mの既設の桂沢ダムの治水・利水機能を高めるため、同軸嵩上げによりダム高を75.5mに 11.9m嵩上げするもので、同軸嵩上げとしては我が国最大の嵩上げ高になります
まず、ダム直下流で行われたダム本体嵩上げ工事を担当した「鹿島・岩田地崎・伊藤組土建JV」をはじめ施工に携わられた皆様の「修祓式」に出席し、完成した新桂沢ダムの安全を祈願し玉串奉奠をさせていただきました。

続いて、ダムサイトから場所を移して三笠市民会館で行われた「新桂沢ダム竣工式」に出席し、斉藤鉄夫国土交通大臣、浦本北海道副知事のご挨拶に続いて、稲津久衆議院議員、渡辺孝一衆議院議員、鈴木宗男参議院議員、船橋利実参議院議員とともにお祝いのご挨拶をさせていただき、くす玉開披にも参加させていただきました。
式典には国土交通省からも廣瀬水管理・国土保全局長、橋本北海道局長、柿崎北海道開発局長をはじめ幹部の皆様や歴代所長の皆様、幾春別川総合開発促進期成会の市町村長や議会の皆様、そして工事に携わった鹿島建設の風間副社長、岩田地崎建設の関副社長、伊藤組土建の柳屋副社長はじめJV関係の皆様が多数出席され、受発注者一体の素晴らしい式典となりました。
その後、幾春別川総合開発促進期成会主催の「竣工式祝賀会」に出席し、期成会の皆様や斉藤鉄夫国土交通大臣はじめ来賓の皆様、歴代所長やJV関係の皆様と完成を祝いました。また、新桂沢ダム建設に心血を注がれた故 小林前三笠市長の奥様もご出席されておられ、待ちに待ったダムの完成への喜びあふれる祝賀会でした。

続いて、新桂沢ダムの式典終了後、奔別川に建設中の「三笠ぽんべつダム」を視察させていただきました。
現地は、鹿島建設の黒川技師長、奈須野部長、上本JV事務所長にご案内いただきました。また、国土交通省OB の関さんにもご同行いただきました。
「三笠ぽんべつダム」は流水型ダムで、堤高53m、堤頂長173.5m、堤体積214,200m3の台形CSGダムです。桂沢ダムをかさ上げし貯水量が1.6倍となった「新桂沢ダム」と、幾春別川の支川の奔別川に新設される「三笠ぽんべつダム」の2つのダムにより、洪水と渇水が頻発する流域の安全を守り、水を安定的に供給する事業です。
現在、鹿島・飛島JV施工を進めてますが基礎岩盤において特徴のある節理(地形性節理)が確認されおり、ダムの安定性に影響を及ぼす可能性があることから、ゆるみ部分を取り除きながら慎重に工事を進めているとのことでした。早期完成を願っています。

6月10日(月)、仙台市で街路事業で行われている都市計画道路の南小泉茂庭線「宮沢橋梁」の現場に伺いました。現地では、仙台市役所建設局の河西道路部長、千葉南道路建設課長等からご説明をいただきました。
この事業は、広瀬川右岸の交通面のボトルネック解消を目的として整備を進めているもので、現在の宮沢橋の上流約30mの位置に、現在の片側1車線から片側2車線に拡幅して(2.3倍の25.8m)整備されているもので、洪水対策や広瀬川の景観にも配慮して現在4本あるコンクリート橋脚を1本にして整備が行われていました。
なお、下部工は地元の橋本店・河北建設JV、上部工は駒井ハルテック・三井住友建設鉄構エンジニアリング・角藤JVで整備が進められており、JV作業所の今所長等に送出し架設工法で架設が進められている状況や生産性向上への取り組みでCIMやMRを活用した整備状況についてご説明いただきました。なお、現場見学会などでもMRによる説明を実施され「具体的で分かりやすい」などと好評とのことでした。
ご同行いただきました宮城県建設業協会の千葉さん、高橋さんありがとうございました。

続いて、仙台市で開催された「東北建設業協会連合会総会」後の懇親会に出席しました。
東北6県の会長、役員の皆様、国土交通省東北地方整備局から山本局長はじめ幹部の皆様が出席される中、千葉会長のご挨拶に続いてご挨拶をさせていただきました。
なお、佐藤信秋参議院議員は参議院決算委員会のため欠席のため、私から出席しておられた前近畿地方整備局長の見坂茂範さんの紹介も含め、ご挨拶をさせていただきました。

6月14日(金)、仙台市で行われた、宮城県建設産業団体連合会の通常総会懇親会に参加させて頂き、千葉会長のご挨拶に続き、佐藤信秋参議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。

6月15日(土)、宮城県加美町で行われた「鳴瀬川ダム仮排水トンネル工事着手式」に出席しました。
式典に先立って鳴瀬川総合開発工事事務所の斉藤副所長のご案内で、鳴瀬川ダムのダムサイトや改造を予定している既設の漆沢ダムに伺いました。
鳴瀬川ダムの建設と既設の漆沢ダムの再開発からなる鳴瀬川総合開発事業は、河道整備等とあいまって、戦後最大規模のカスリン台風時の洪水に対し気候変動の影響を考慮した規模の洪水による被害を防ぐとともに、鳴瀬川沿川の農業用水の確保、発電を目的としており、洪水や渇水に悩まされてきた地域の大きな期待を担う事業です。
その一翼を担う鳴瀬川ダムは、宮城県が計画していた筒砂子ダムを規模を大きくして国により事業を建設することとなったもので、今回の仮排水トンネル工事の着手によってその完成に向け、大きく近づいたといえます。
漆沢ダムは、宮城県により昭和56年に建設された多目的ダムですが、再開発により左岸側に洪水吐きトンネルを新設し治水専用の流水型ダムとするものです。
鳴瀬川総合開発事業は、私が国土交通省の水管理・国土保全局長の平成25年にダム検証により事業の継続を決定しましたので、本日の式典にお招き頂き感無量です。

式典では、開会に先立って行われた地元の小野田莱鳴太鼓練心会の皆さんによる勇壮な太鼓の演奏を楽しませていただいた後、山本東北地方整備局長、村井宮城県知事のご挨拶に続いて、伊藤信太郎衆議院議員、小野寺五典衆議院議員、和田政正宗参議院議員らとともにお祝いのご挨拶をさせていただき、鍬入れにも参加させていただきました。
式典には国土交通本省から奥田治水課長、宮城県から千葉土木部長が出席され、鳴瀬川総合開発促進期成同盟会会長の伊藤大崎市長、副会長の石山加美町長をはじめ各市町村長や議会の皆様、受益地である各土地改良区の皆様、そして関係の皆様が多数出席されました。
また、地元の鳴峰中学校2年の高橋梨緒さん、1年の高橋梨南さん姉妹による「期待の言葉」がありましたが、鳴瀬川ダムへの親しみと期待が伝わってくる良い発表でした。
式典の終了後には、会場の外に場所を移して地元加美町消防団の皆さんによる「中新田火伏せの虎舞」が披露され、めずらしい虎の舞を興味深く拝見しました。

その後、場所を移して、鳴瀬川総合開発促進期成同盟会の皆さんとの情報交換会に、小野寺五典衆議院議員、和田政宗参議院議員とともに参加させていただきました。意見交換の中で、私からは特にダム建設に当たっての技術的課題として、鳴瀬川ダムについては比較的狭隘な現場での台形CSGの施工となることから、先行している北海道の三笠ぽんべつダムでの施工法を参考とすべきこと、漆沢ダム再開発の洪水吐トンネルについては、先行事例である愛媛県の鹿野川ダムの洪水吐トンネルを参考とすべきことなどアドバイスをさせていただきました。
式典にご同行いただきました、東北建設業協会連合会の千葉会長、畠山参与他の皆様、ありがとうございました。