足立としゆき夢だより【第266号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

日本近海の太平洋で発生した台風7号が、8月15日(火)に和歌山県に上陸し、兵庫県の明石市に再上陸したあと、私の母の実家のある朝来市付近を北上し、日本海に抜けました。
これに伴い、京都府や兵庫県、鳥取県、岡山県などに大雨を降らし、各地で被害を生じました。被害にあわれた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

さて、8月17日(木)、国会は閉会中ではありましたが、参議院の災害対策特別委員会が開催され、質疑をさせていただく機会をいただきましたので、7月上旬の福岡県・大分県・佐賀県を中心とする豪雨災害や、7月中旬の秋田県を中心とする豪雨災害、台風6号・7号による被害などを踏まえ、これまでの災害対策の効果や今後の防災・減災、国土強靭化に向けた政府の取り組みについて、谷公一防災担当大臣や大林気象庁長官、岡村国土強靭化推進室長、廣瀬水管理・国土保全局長に質問させていただきました。質疑の内容については、別途紹介させていただきます。

なお、審議の模様は、参議院インターネット審議中継でご覧いただくことが可能です。お時間のある方は是非ご覧下さい。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
(収録されていますので、後日でも視聴することができます。)

【参・災対特での質問】

8月17日(木)、災害対策特別委員会が開催され、質疑に立たせていただきました。

まず、今年、6月以降の長雨による豪雨災害や、迷走して九州西方沖を北上した台風6号、日本近海で発生して一昨日に本州を直撃した台風7号など、これまであまり経験したことのない気象現象が発生していることについて、大林気象庁長官に質問しました。
大林長官からは、「近年、豪雨災害をもたらすような短時間強雨の発生回数は増加し、例えば、1時間降水量50mm以上の非常に激しい雨の発生回数は、1985年までの10年間と2022年までの10年間を比較すると約1.5倍に増加しております。」といった最近の観測結果とともに、「将来につきましても、パリ協定の2℃目標が達成された状況に相当する場合においても、1時間降水量50mm以上の発生頻度が今世紀末には20世紀末に比べて約1.6倍に増加すると予測しております。」との将来見通しについて説明がありました、

続いて、九州北部や秋田県において、平成29年の災害を契機に河川の整備等が進められ効果が発揮されていることを踏まえ、今回の一連の水害・土砂災害等における課題について、内閣府防災の高橋政策統括官に質問しました。
高橋政策統括官からは、「今般の豪雨災害に関しましては、ハード面では、近年の国土強靱化の取組等もあり、一定の被害軽減の成果が見られた箇所もあった」との整備効果の認識とともに、「中小河川の浸水被害や内水氾濫が発生したことから、引き続き、治水対策を着実に進める必要があること、また砂防堰堤等の土砂災害を防止するための施設等の整備を進める必要があること」、「ソフト面では、避難指示等の発令のタイミングや土砂災害からの避難の呼びかけ、冠水した道路での車の水没の防止、迅速な被害認定調査・罹災証明の発行などに関して課題があった」との認識が示されました。

続いて、平成29年九州北部豪雨で大量の土砂を含んだ洪水で川が埋まってしまい大きな被害が生じた福岡県朝倉市を流れる赤谷川について質問しました。赤谷川では、平成29年災害の後に直轄権限代行で河川の拡幅等の整備が行われた結果、私が今回の被災後に現地を伺った際には、今回の雨では大きな被害が発生していませんでした。また、大分県日田市の花月川でも、平成24年、29年の豪雨で被災した後に進められた直轄の河川事業で整備された結果、被害が最小化されていたと聞いており、災害対策事業の整備効果について、国土交通省の廣瀬水管理・国土保全局長の認識を伺いました。
廣瀬局長からは、「今回の豪雨では、赤谷川、花月川いずれも前回に匹敵する雨量を記録しましたが、これまでの治水対策への重点的な投資により、一部で浸水被害は発生したものの、前回のような大きな被害はなく、事業効果を発現したと認識しております。」と国実施の事業の効果をしっかりと確認している旨の回答がありました。

また、今回の土砂災害による深刻な被害が福岡県の久留米市田主丸、佐賀県の唐津市の浜玉地区などで生じ、また、台風7号でも京都府の綾部市で大規模な土石流が発生しており、被害が大きく、多数の家屋が被災している実態を踏まえ、赤谷川の権限代行までは行かないとしても、国による技術的な支援や財政措置など積極的な支援などのしっかりとした対応を廣瀬局長にお願いしました。

次に、秋田県の雄物川流域でも平成29年に広範囲の浸水被害が発生したことから、大きな浸水被害が生じた中流部を中心に河川激甚災害特別緊急事業やその後の国土強靱化予算により実施された事業の効果とともに、私が現場の課長として建設工事に従事し、平成29年の水害の際にも効果を発揮した玉川ダムの洪水調節効果により、今回の雄物川流域での大雨被害に対して、中流部での災害発生の抑止や下流域での浸水被害軽減に貢献したのではないかと廣瀬局長に質問しました。
廣瀬局長からは、「雄物川では、平成29年出水を契機といたしまして、いわゆる激特事業、三か年緊急対策、五か年加速化対策等を実施して、河道掘削などの対策を進めました。また、雄物川の支川に位置する玉川ダムでございますけれども、下流の水位が上昇し氾濫の危険性が高まったことから、通常の洪水調整よりも大幅に放流量を抑制する特別防災操作を実施することとし、約40時間にわたりまして洪水を全量カットいたしました。このような対策や操作により、秋田市内の雄物川の雄和椿川地点で水位を約88cm低減させ、堤防の整備と合わせて約180戸の浸水被害を回避できたものと考えております。」との具体的な効果について紹介がありました。

続いて私から、今回の秋田の出水を考えると、旭川、石見川、太平川などの中小河川が今後の課題と考えられることについて、廣瀬局長に質問しました。
局長からは、「国土交通省といたしましては、流域一体となった検討が円滑に進むように技術的な支援を行ってまいりたいと思います。また、計画策定に当たっては、太平川等の河川の水位低下対策、下水道等による排水対策、流域における貯留施設や浸透施設等の流出抑制対策、特定都市河川浸水被害対策法に基づく河川指定や貯留機能保全区域の指定等のあらゆる手段を総合的に組み合わせた効果的な対策を検討する必要があります。国土交通省といたしましては、秋田県等と密に連携を図りつつ、必要な治水対策について財政的、技術的支援を行ってまいります。」との回答があり、私からは、できるだけ早く対策が進むよう要請しました。

続いて、今後の対応として、被災地で堤防の復旧や、土砂・瓦礫の撤去、道路の啓開等に従事されていた地元建設業の皆様の活動状況を示し、全国規模で水害・土砂災害が頻発・激甚化する中で、地域の守り手である建設産業に携わる皆さんが安心して働けるようにするためには、物価高騰の反映は当然として、担い手確保のための賃金アップや働き方改革に取り組むための費用の確保、そして、防災・減災、国土強靱化をはじめとする公共事業の切れ目の無い着実な実施が不可欠であることから、今後、国土強靱化を進めるにあたっての建設産業分野への配慮について内閣官房の岡村国土強靱化室次長に質問しました。
岡村次長からは、「建設産業は、地域のインフラ整備、維持管理の担い手であるとともに、災害時においては、安全、安心の確保のための地域の守り手としての役割を担っております。これは、国土強靱化基本法に掲げた四つの基本方針のうち、国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化と迅速な復旧復興、この二つに大きく貢献するものであり、建設産業は国土強靱化の推進において重要な役割を担っております。」との認識が示されました。
また、「本年7月に策定をいたしました新たな国土強靱化基本計画においても、建設等の国土強靱化に携わる分野で働く人材の確保、育成を積極的に進めることなど、建設産業の持続的発展に係る取組を新たに位置付けているところであります。」と、国土強靱化の実施にあたり、建設産業の持続的な発展を重視している旨の回答がありました。

最後に、防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策後も、必要な予算を継続的、安定的に確保することが重要性について、谷防災担当大臣の見解を伺いました。
谷大臣からは、「政府におきましては、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を現在進めているところでございますが、この取組によって、全国各地で被害を抑制する効果が着実に積み上がっているというふうに考えております。」との認識が示されました。
また、「五か年加速化対策後につきましても、中長期的かつ明確な見通しの下で、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが大変大事なこと、大切なことだと思っております。」、「こういう中において、さきの通常国会において国土強靱化基本法が改正されて、国土強靱化実施のための中期計画が初めて法定計画とされたことにより、五か年加速化対策後も実施計画が切れ目なく策定されることとなりました。これにより、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進めることが担保されると考えておりまして、非常に意義のあることと受け止めているところでございます。」、「五か年加速化対策後も、国土強靱化の着実な推進に向けて、改正法に基づき必要な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。」との決意が述べられました。ありがとうございました。

【国会の動き】

8月17日(木)、国会閉会中ではありましたが、質疑に立たせていただきました。

【都内の動き】

8月9日(水)、兵庫県豊岡市議会の会派研修で、岡本議員、芹澤議員、森垣議員、小森議員、浅田議員、荒木議員、木谷議員、前田議員が上京され、谷公一防災担当大臣のご配慮で、皆様に「公共事業費と日本のインフラ状況」についてお話させていただく機会を作っていただきました。

続いて、木曽三川下流改修工事促進期成同盟会の要望活動で伊藤桑名市長と加藤木曽岬町長にご来室いただきました。また、伊藤桑名市長には、別途、東名阪自動車道【仮称】大山田スマートインターチェンジの要望でもご来室いただきました。

続いて、四国横断自動車道高知県建設促進期成会の中平四万十市長、中平宿毛市長、松本黒潮町長、池田中土佐町長、岡田大月町長、田野三原村長等にご来室いただき、四国8の字ネットワークの要望をいただきました。

また、全国測量設計政治連盟の野瀬会長に来室いただき、測量設計議員連盟「業務領域拡大PT」の今後の進め方などについて意見交換をさせていただきました。

8月10日(木)、東海北陸自動車道建設促進同盟会・東海環状道路建設促進期成同盟会の「令和5年度整備促進大会」に出席し、ご挨拶をさせていただきました。古田岐阜県知事や成原白川村長をはじめ岐阜県、富山県、愛知県等から沢山の方々が参加されました。

このほか、私が不在の間にも、全国各地からご要望にお立ち寄りをいただいております。ありがとうございました。

8月15日(火)、天皇、皇后両陛下のご臨席をいただき、戦没者のご遺族、各界代表のご列席を得て、都内の日本武道館で「全国戦没者追悼式」が挙行され、私も出席させていただきました。
正午の時報とともに全員で黙とうをささげ、天皇陛下から、「世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」とのお言葉をいただきました。

【地方の動き】

出張等はありませんでした。