足立としゆき夢だより【第138号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

今年一年、皆様には大変お世話になりまして、ありがとうございます。皆様にお支えをいただき、建設分野において大切な「量の確保」と「質の確保」の両面で頑張ってまいりました。

その結果、「量の確保」、すなわち公共事業予算の確保につきましては、12月5日に閣議決定された経済対策に大型の補正予算が盛り込まれることとなり、1.6兆円規模の公共事業予算の追加が見込まれることとなりました。当初予算の6兆円からすると緊急対策の約1兆円を含め4割以上の増額となります。
年明けの通常国会の冒頭で補正予算案を成立させ、実施に移して行くこととなりますので、ご期待ください。
なお、トラック輸送分野の皆様が期待しておられます高速道路料金の大口多頻度割引も、この補正予算に盛り込まれておりますので、ご期待願います。

一方、「質の確保」ですが、今年6月には「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の一部改正を行いました。それを受けて、現在、法律の施行にあたりその趣旨を徹底するための運用指針の取りまとめ作業が、国土交通省において大詰めを迎えています。こちらについても、発注者の責務などをより明確にしていくよう考えておりますので、ご期待いただければと思います。よろしくお願いいたします。

なお、台風19号等による水害・土砂災害の被災地に、引き続き伺いましたので、以下に報告いたします。

■栃木県

12月20日(金)、台風19号により被災した栃木県内を視察しました。ご案内は、栃木県県土整備部の田城次長、河川課の小野班長、栃木県建設業協会の小野崎常務理事にお願いしました。

まず、栃木市の永野川の破堤現場を訪れました。JR両毛線の橋梁の直上流右岸で越水破堤をしており、広い範囲で浸水被害が発生していました。なお、JR両毛線の橋梁下流部では堤内地からの戻り水で堤防が欠損していました。
災害査定が終わったばかりとのことでしたが、被災箇所の仮復旧は完了していました。

続いて、佐野市秋山川の破堤現場を訪れました。TVのニュースでも紹介された現場で、海陸橋上流の右岸側が越水破堤しており、大規模な浸水被害を生じていました。なお、破堤箇所周辺では至る所で越水しているような痕跡が見られ、どこで破堤してもおかしくないような状況だったと思います。こちらも仮復旧が終わっていました。
なお、現場では栃木県建設業協会安蘇支部の木村支部長、応急復旧を担当した朝日建設の蓼沼社長、関東建設の清水社長、落合土木の落合専務にご案内とご説明をいただきました。ありがとうございました。

続いて、宇都宮市内の田川の越水氾濫箇所を視察しました。宇都宮駅前の市街地が広範囲に浸水被害に見舞われていました。このような大都市の市街地が大規模に浸水被害にあっているのには驚きました。また、大量の土砂が流出してきており、その処理にも苦労されておられるようでした。
なお、市街地ですので河川の拡幅には限界があり、改良復旧には工夫が必要と考えられます。

今回、栃木県内の被災地を3カ所視察させていただきましたが、いずれも広範囲で浸水被害が発生していました。応急復旧は、地域の建設業の皆さんが頑張って対応しておられました。
今後は改良復旧を基本として県で対応されるとのことですが、地域の建設業の皆さんの引き続いてのご活躍に期待をしたいと思います。

その他、最近の主な動向をご紹介いたします。

【国会の動き】

国会は閉会中であり、特段の動きはありませんでした。

【自民党の動き】

12月11日(水)、自民党の前参議院幹事長の吉田博美先生の「お別れの会」が執り行われ、実行委員長の安倍晋三総理をはじめたくさんの衆参国会議員の先生方とともに参列し、献花をさせていただきました。
吉田博美先生には、長野県南部を管轄していた中部地方整備局長の頃から大変お世話になりました。心からご冥福をお祈り申し上げます。

12月12日(木)、自民党の国土交通部会関係合同会議が開催され、令和2年度当初予算とともに、令和元年度補正予算について国土交通省から説明がありました。
国土交通省の補正予算の総額は、国費で1兆2634億円で、そのうち「災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」が1兆1252億円、「未来への投資と東京オリパラ後も見据えた経済活力の維持・向上」のうち「生産性向上を支えるインフラの整備」が1001億円計上されています。
私からは、マスコミなどが「不調・不落が多いので、補正予算を手当てしても仕事をこなせないのではないか」と指摘していることに対して、「不調・不落案件は10%程度で平年並みで、それらも再度入札や設計変更で対応できており仕事は止まっておらず、大きな問題はなく仕事は進んでいる」と意見を申し上げました。
不調・不落を理由に予算を抑制されないよう気をつける必要があります。

12月16日(月)、生コン議連の要望活動で、麻生太郎財務大臣、岸田文雄自民党政調会長のところに同行し、生コンの需要拡大について要望させていただきました。

12月18日(水)、京都市と滋賀県大津市を結ぶ「新しい国道1号バイパス建設促進議員連盟」の総会が開催されました。
私からは、「台風19号により中央道や国道20号、JR中央線が不通となり、山梨県が陸の孤島となった教訓から、大津・京都、亀岡・京都を結ぶ道路の早期整備が必要だ」と申し上げました。
なお、引き続き国土交通省の御法川信英副大臣への申入れにも同行させていただきました。

12月18日(水)、自民党のネットメディア局の勉強会に参加し、SNSを活用した選挙活動についてお話しを伺いました。

12月23日(月)、急逝された望月義夫衆議院議員の葬儀が静岡市で執り行われ、参列をさせていただきました。望月義夫先生には、私が所属する宏池会の大先輩として、さらには私が国土交通省の在職時、とりわけ静岡県がご地元ということもあって中部地方整備局長の際に、暖かいご指導をいただきました。
また、一昨年の2月、ハワイのホノルルで「えひめ丸」の17回忌の式典が開催された際にもご一緒させていただくなど、忘れられない思い出がたくさんあります。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

その他、参議院の執行部会、幹事長室の副幹事長会議、政策審議会、宏池会の例会などの定例会に出席しました。

また、政調の税制調査会総会や小委員会、生コン議員連盟の総会等に出席するとともに、「本田太郎君を励ます会」、「福井照君を励ます会」に出席し立礼をさせていただきました。

【都内の催し】

12月10日(火)、第39回ダム建設功績者表彰式・ダム工事総括管理技術者認定証授与式に出席し、ダム協会の宮本会長に続いてお祝いのご挨拶をさせていただきました。
八ッ場ダムでご苦労いただいた田村元長野原町長が功績者としてご出席でした。大変お世話になりました。
また、秋田の玉川ダムで一緒に勤務した安斎さん、神奈川の宮ヶ瀬ダムで一緒に勤務した徳道さんが功績者として表彰され、ご夫婦で出席されていました。お二人にはお祝いを申し上げ、記念写真を撮らせていただきました。おめでとうございます。

12月11日(水)、日本機械土工協会の「勲章大臣顕彰等受章祝賀会」に出席して、お祝いのご挨拶をさせていただきました。おめでとうございました。

12月18日(水)、「長野県議会砂防事業促進研究会」の勉強会に宮下一郎衆議院議員など衆参国会議員の先生方とともに出席し、今年の水害・土砂災害に対する思いを含めご挨拶をさせていただきました。

12月19日(木)、「欧州近自然川づくり調査団」の報告会が、国土交通省の会議室で開催されました。
9月に実施した調査を踏まえて、調査団長の辻本名古屋大学名誉教授、池内東京大学教授をはじめ調査への参加者から貴重な報告がありました。五道水管理・国土保全局長にも冒頭ご出席をいただきました。
私からは、「研究者の先生方と行政の担当者が現場を一緒に見て議論を交わすのは大事なことで、激甚化する水害の中で、どのように河川環境を考え、どのような手法で整備し復旧していくのか、ドイツやスイスの事例を参考に、ともに考えるきっかけとしたい」とお話しをさせていただきました。
このような調査は、今後の河川環境を考えるに当たっても非常に重要ですので、ぜひとも継続していただきたいと思います。

【地方の催し】

12月12日(木)、熊本県天草市に伺い、熊本県建設業協会天草支部の皆さんに「国政報告会」を行わせていただきました。会では、最近の公共事業の動向や日本のインフラの状況などについてお話しをさせていただきました。
この会は6月29日に佐藤信秋先生の応援に入った際に約束していたもので、開催にご尽力いただきました山添支部長、土井熊本県建設業協会会長、前川専務理事をはじめ関係の皆さんに心から感謝いたします。

なお、それに先立ち、天草の上島と下島の間にある水路「本渡瀬戸」を渡る自動車専用道路「国道324号本渡道路、第二天草瀬戸大橋」の工事現場を視察しました。この道路は、熊本天草幹線道路の一環として整備が進められているもので、令和4年度の供用に向け橋脚の建設が進んでいました。現場の案内は、熊本県天草振興局の丸尾土木部長、熊本県建設業協会天草支部の山添支部長にお願いしました。

また、「本渡瀬戸」を渡る歩道橋の「瀬戸歩道橋」、通称「赤橋」にも伺いました。
この橋は、全国的にも珍しい橋桁が垂直に上下する可動橋で、昇開橋とも呼ばれているようです。現在は塗装の塗り替えと老朽化対策工事を実施中で、残念ながら渡ることはできませんでした。

12月14日(土)、静岡県伊豆市で道の駅「伊豆月ケ瀬」の開駅式が開催され、地元の勝俣孝明衆議院議員、細野豪志衆議院議員、牧野京夫参議院議員、岩井茂樹参議院議員、中部地方整備局の池口道路部長らとともに出席して、お祝いのご挨拶とくす玉開披を執り行わせていただきました。
中部地方整備局長の頃からお世話になっている菊池伊豆市長ご自慢の道の駅で、伊豆縦貫自動車道の月ケ瀬ICに直結してとても便利です。すぐ横に、コンクリート・アーチの月ケ瀬橋があり、全国的に見てもこんなに恵まれたロケーションの道の駅はないと思います。
道の駅自体も内装がオシャレで、センス溢れる「新感覚道の駅」だと思います。陳列されている商品も珍しい地場のもので溢れており、思わず買ってしまいました。

12月15日(日)、水資源機構が建設中の川上ダムの「定礎式」が三重県伊賀市で開催され、和田政宗国土交通大臣政務官、川崎二郎衆議院議員、中川正春衆議院議員、水資源機構の金尾理事長、五道水管理・国土保全局長、井上近畿地方整備局長、岡本伊賀市長らとともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただくとともに、「斎鏝(いみごて)の儀」、さらには「くす玉開披」を執り行わせていただきました。
このダムは、本省のダム建設を担当する係員の時に事業に着手し、河川計画課長の際に河川整備基本方針を策定し、退官直後に検証の結果「継続」が決定するなど、とてもご縁の深いダムです。
定礎の石を鎮定したブロックにコンクリートを打設する「埋納の儀」では、我が国はじめての試みとなる自動運転のタワークレーンで吊られたバケットからコンクリートが放出され、さらに自動運転のバイバックで締め固めを行うなど、最先端技術を駆使した施工が行われており驚きました。

続いて、三重県名張市の名張川沿川で、「名張かわまちづくり一体型浸水対策事業起工式」が開催され、和田政宗国土交通大臣政務官、川崎二郎衆議院議員、中川正春衆議院議員、五道水管理・国土保全局長、井上近畿地方整備局長、亀井名張市長らとともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただくとともに、「くす玉開披」を執り行わせていただきました。
事業を担当している近畿地方整備局の木津川上流河川事務所の田中所長は、以前近畿地方整備局企画部長として勤務した際に一緒に働いた仲間です。地球温暖化に伴い水害の危険性が増大している中ですので、できるだけ早期の整備を期待したいと思います。

12月17日(火)、京都北部の綾部市に伺い、京都北部建設業協議会と国土交通省の福知山河川国道事務所との意見交換会に出席させていただき、最近の公共事業を取り巻く環境についてお話しさせていただくとともに、意見交換で入札契約に関する様々なお話しをさせていただきました。
会議をセットしていただきました京都府建設業協会綾部支部の青松支部長をはじめ幹部の皆様、ご出席いただいた国土交通省福知山河川国道事務所の矢野所長等関係の皆様に感謝を申し上げます。
なお、京都北部は私の実家のある地元でもありますので、よろしくお願いいたします。

12月19日(木)、長野県建設業協会の幹部会が長野市で開催され、事前防災の重要性や補正予算の動向について「国政報告」をさせていただきました。
お声かけをいただきました木下会長、蔵谷顧問をはじめ幹部の皆様に感謝を申し上げます。
なお、続いて開催された忘年会にも冒頭参加させていただきました。ありがとうございました。

12月21日(土)、京都府北部の京丹後市で「山陰近畿自動車道大宮峰山道路」の起工式が開催され、地元の本田太郎衆議院議員、二之湯智参議院議員、福山哲郎参議院議員、山下京都府副知事、井上近畿地方整備局長、三崎京丹後市長をはじめ沿線の首長の皆さんらとともに出席し、お祝いのご挨拶と鍬入れを執り行わせていただきました。
この道路は鳥取・豊岡・宮津を結び日本海国土軸の一部を形成する重要な道路であり、早期開通に向け頑張りたいと思います。

なお、翌日、京丹後市久美浜町にある水彩画家の安野光雅さんの「森の中の家 安野光雅館」を訪れました。
この美術館は、私自身が「緑の防潮堤」や宮ヶ瀬ダムの原石山の緑化の際にご指導いただいた横浜国大名誉教授の宮脇昭先生が手がけられた「和久傳の森」の中にあり、これまた大変お世話になっている安藤忠雄先生が設計を行い、長谷工コーポレーションが施工を担当し、兵庫県建設業協会豊岡支部の中川支部長の会社が下請けで関わられた大変ご縁の深い施設です。
こじんまりとした美術館ですが、センスに溢れ、京料理で有名な和久傳が所有する安野光雅先生の水彩画をふんだんに展示しているとても素晴らしい美術館です。
併設されているレストラン「wakuden MORI(モーリ)」もオシャレで素敵でした。
ぜひ皆さんも、一度訪れてみてください。

【建設分野のトピックス】

私が以前お世話になりました建設物価調査会が、建設分野の女性活躍を後押しするため発行している「チームひまわり」の冊子が『日本タウン誌・フリーペーパー大賞2019優秀賞』を受賞されました。おめでとうございます。
「チームひまわり」は、この4年に亘り「建設物価」の特集記事として各地の様々な建設関係の職場を訪ね、建設業で活躍する女性の方々を紹介する活動を続けて来ています。また、そうした取り組みを女性らしい素敵な冊子として取りまとめ、発行しておられます。
それらの取り組みが高く評価され、優秀賞を受賞されたことは、チームの設立当初関わらせていただきました私も大変嬉しく思っています。
女性活躍がますます重要な政策課題となる中、建設業で働く多くの女性の皆様に勇気と希望を与える「チームひまわり」の今後のご活躍に大いに期待しています。