足立としゆき夢だより【第134号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

大型で非常に強い台風19号が東日本を縦断し、100名近い死者・行方不明者を生じるなど大きな被害を発生しました。
お亡くなりになられた皆様に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。

また、災害対応でご尽力をいただきました国土交通省の皆様、TEC-FORCEで全国から駆けつけた皆様、自治体の防災部局の皆様、自衛隊・警察・消防のみならず被災現場で活動されている建設関連産業の皆様、大変お疲れさまです。
特に、堤防決壊箇所や土砂災害の現場などの映像が流れるたびに、緊急復旧の現場で重機を駆使して建設関連産業の皆様が頑張っている姿を目にします。本当にありがとうございます。

このような災害の状況を受けて、10月13日(日)、二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長、鈴木俊一総務会長、森山裕衆議院国会対策委員長、世耕弘成参議院幹事長、岡田広参議院副会長、松山政司参議院政審会長、末松信介参議院国会対策委員長をはじめ自民党の幹部の皆様が急遽党本部に集まり、緊急役員会が開かれました。
その結果、自民党において「非常災害対策本部」の設置を決め、被災地の復旧・復興や被災者の支援に関する当面の取り組みを「党声明」の形で取りまとめました。
なお、この緊急役員会の場で、私の方から八ッ場ダムが試験湛水中ではありましたが、下流の利根川の洪水被害の軽減に大きな役割を果たしたことを報告させていただきました。

続いて15日 (火)、自民党本部で「令和元年台風19号非常災害対策本部」が開催され、関係省庁から対応状況について説明を受けるとともに、被災地の衆参国会議員の先生方から地域の課題や要望を伺いました。なお、私は非常災害対策本部の事務局次長を命ぜられています。
本部会合では、衆参の先生方から、八ッ場ダムや狩野川放水路などこれまでのインフラ整備が大きな効果を発揮したことや、早期の激甚災害の指定や大型補正予算の必要性などの指摘がありました。建設関連産業に関しても、被災地の緊急対応に頑張っていることについて評価をいただくとともに、建設業の人員の確保など体制の強化や、コンサルタントや測量・設計の分野の体制の強化の必要性など、様々な意見がありました。

16日(水)には、参議院予算委員会で八ッ場ダムに関する質疑があり、台風19号で八ッ場ダムが大きな効果を発揮したことについて、安倍総理や赤羽国土交通大臣から答弁がありました。質問者は松山政司参議院政審会長です。

■安倍総理

例えば今、八ツ場ダムの例を挙げられました。大変なこれは財政的な負担もあったのでありますが、これは果たして、では後世に負担を残したのかといえば、当然それは財政に対して、これは国民みんなで何世代にもわたって対応していかなければならないものでありますが、同時に、まさに国民の、後世の人たちの命を救うことにもなるわけでありまして、そういう緊張感の中で正しい判断をしていくことが大切であろうと、こう思うところでございます。

■赤羽大臣

13日の未明、夜中の2時ぐらいだったと思いますが、関東地方整備局が埼玉県加須市で堤防から越水するおそれがある旨を発表するなど、大変切迫した状況でございました。最終的には、計画高水位にあと30cmまで迫ったぎりぎりのところで上昇が止まりまして越水を回避することができましたが、これは、分析するに、下久保ダムですとか八ツ場ダムも含めた上流のダム群、また渡良瀬遊水池において洪水を貯留したことが大きな原因だったというふうに分析をしております。

(中略)

今回の台風19号に際しましては、たまたまというか、本格的な運用前に安全性を確認するために試験的に水をためるオペレーションをこの10月1日に開始したばかりでございまして、まだ水位が低かったことから、結果的には、これ、予定より容量を多く、約75百万立方メートルを貯留することができたところでございます。

続いて、安倍総理からインフラ整備について、次のような非常に重要な発言がありました。
「この緊急対策を講じた後も、(中略)、必要な予算を確保した上で、(中略)、災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいりたい」

これは、令和2年度までの「緊急対策後」の予算確保に言及されたものであり、私どもも今後の予算確保に向けしっかり準備してまいりますので、よろしくお願いいたします。

■安倍総理

平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年から今年にかけても、集中豪雨、地震、激しい暴風雨、異常な猛暑など、異次元の災害が相次いでいます。災害への対応はもはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。
このため、昨年、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、集中的な取組を進めているところであります。この緊急対策を講じた後も、国土強靱化基本計画に基づき、必要な予算を確保した上で、オールジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいりたいと考えています。

なお、引き続き台風19号への対応を議論するため、17日(木)に「令和元年台風19号非常災害対策本部」、国土交通部会の正副部会長会議、18日(金)に、国土交通部会が開催されました。

また、18日(金)、自民党非常災害対策本部の幹部の岸田文雄政調会長、根本匠前厚生労働大臣、松山政司参議院政審会長、今村雅弘自民党非常災害対策本部事務局長らとともに、川崎市高津区、東京都世田谷区など台風19号による多摩川沿川地域の被災地を視察しました。
これによって、浸水被害で苦しんでいる町工場や民間車検場、二子玉川の無堤地区などの実情を把握することができました。
なお、岸田会長はぶら下がり取材に応じ、年内早期に補正予算案を編成すべきとの考えを示すとともに、規模的には平成29年度の約1兆2千億円が目安になると話されました。実現に向けて私もしっかり頑張りたいと思います。

その他、最近の動向をご紹介いたします。

【国会関係】

10月15日(火)、16日(水)、参議院の予算委員会が開催されました。

【自民党関係】

10月 11日(金)、国土交通部会が開催され、「港湾法の一部を改正する法律(案)」について条文審査が行われ、了承されました。

16日(水)、政策審議会が開催され、全世代社会保障制度についての政府検討の方向性について議論されました。

【都内の催し】

10月16日(水)、建設省・国土交通省のOBにより構成される「建和会」の総会が開催され、ご挨拶をさせていただきました。

【地方の催し】

10月11日(金)、秋田県仙北市の門脇市長のお招きで、田沢湖畔の「田沢湖クニマス未来館」に伺い、開館2周年記念の講演をさせていただきました。
35年前に東北地方建設局の玉川ダム工事事務所に勤務した際の経験を踏まえ、「玉川ダムの建設と酸性水対策」と題して1時間程度講演をさせていただきましたが、仙北市や東北地方整備局などの行政関係者のみならず、昭和15年に玉川の酸性水を田沢湖に導水したことで絶滅した「クニマス」の復活を願う地元の皆様、環境団体の皆様、地元の高校生の皆様など50名を超える方々にご参加いただき、熱心にお聞きいただきました。ありがとうございました。

17日(木)、群馬県の八ッ場ダムに伺い、国土交通省の朝田所長にご案内をいただき、満水になった八ッ場ダムを見させていただきました。
八ッ場ダムは今回の台風19号の出水に当たり、維持流量以外すべて貯水池に貯め込み、約75百万立方メートルを貯留するという大きな効果を発揮しました。これによって下流の利根川の越水・氾濫を防ぐことができたと確信しています。
今回の巨大台風に間に合うようにダム建設を進めてきていただいた関係の皆様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
なお、私は本省の立場でしたが節目節目で八ッ場ダムの事業を担当させていただきましたので、満水状態のダム本体を見ることができ、感慨無量でした。

19日(土)、兵庫県豊岡市出石町で、戦前・戦中・戦後にわたり活躍された地元の国会議員の「齋藤隆夫」先生の没後70周年を記念して、71回忌法要、記念講演会、「齋藤隆夫精神伝承の会」が行われました。
齋藤隆夫先生は、第二次世界大戦の最中、「粛軍演説」、「反軍演説」などを行った気骨ある政治家で、戦後の第一次吉田内閣では国務大臣も務められました。私にとっては母方の遠縁にあたる方で、そのブレない政治姿勢には頭が下がりますし、学ばねばならないと思っています。