足立としゆき夢だより【第100号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
この「夢だより」も、今回で記念すべき100号を迎えました。長い間ご愛読いただいております皆様に心から感謝を申し上げますとともに、引き続きお付き合いいただきますようお願い申し上げます。
さて、6月4日(月)、参議院決算委員会の省庁別審査(復興庁、国土交通省及び警察庁の部)で質疑に立ち、「地球温暖化の適応策のあり方」及び「日本のインフラの整備水準」について、国土交通省、財務省、環境省に質問いたしました。
「地球温暖化の適応策のあり方」では、地球温暖化対策としてCO2など温室効果ガスの削減を行う「緩和策」が先行し、法律も整備されていますが、最近の激烈な雨の降り方や、これまで経験したことのないような台風の動きなど、従来とは異なる気象現象が起こりはじめていることからすると、地球温暖化に伴って実際に出てくる影響に備える「適応策」が重要であり、住民の安全に直結する対策、すなわち事前の防災対策をしっかり進めていくことが大事であると主張させていただきました。
また、ドイツやフランスなど海外でも、地球温暖化を考慮した具体的な対策が講じられていることを踏まえ、我が国でも河川整備やダムの整備などを進めていくため公共事業予算を確保するよう要請しました。
「日本のインフラの整備水準」では、高速道路の整備状況について、欧米諸国と比較して延長や車線数、都市間連絡速度が低い水準であること、道路の維持管理水準が低下しており、「荒廃するアメリカ」と言われた1980年代のアメリカのように深刻な状況であることなどを指摘し、公共投資の拡大を要請しました。
特に、先進国を対象にこの20年間の公共投資の伸びとGDPの伸びの相関を示した図をもとに、日本だけが公共投資を削減しており、また、唯一GDPを減らしている点を指摘し、日本が経済で一流を目指すなら公共投資を伸ばし、インフラの整備水準を先進国並みに引き上げていくこと、そのためには「プライマリー・バランス黒字化目標」の撤廃により、アベノミクスの主要な柱である財政出動を図り、公共投資の拡大に努めるよう要請しました。
これまで日頃から言い続けてきたことを、まとめてお話することができて良かったです。ありがとうございました。
さて、最近の動向を紹介します。
【国会関係】
国会の会期も残すところ2週間程となりました。連日、国会日程が立て込んできています。
参議院では、月・水・金が本会議の予定日で、火・木が常任委員会(私の場合は国土交通委員会)の予定日です。それに加えて、特別委員会(私の場合は災害対策特別委員会及び東日本大震災復興特別委員会)や憲法審査会、各種調査会の日程が入って来ますので、国会対策委員会が各種委員会と調整していますが、日程のやりくりにはご苦労いただいています。
ところで、国会は立法府とも呼ばれ、法律の制定が重要な使命です。
法律の制定のプロセスについて、本会議や各常任委員会等の役割にからめて紹介させていただきます(新藤義孝衆議院議員のHPを参考にさせていただきました)。
まず、法律には内閣から提出する「閣法」と議員が提出する「議員立法」があります。いずれも議長に提出されます。通常は衆議院先議と言って衆議院で先に審議が行われますが、参議院から先に審議する場合もあります。いずれにしても、衆参両院で可決されなければ法律は成立しません。
提出された法案のうち、重要法案については、議長が本会議を開き、所管の大臣が趣旨説明を行い、それに対して質疑を行ったあと、所管の委員会に付託します。
委員会では、まず所管の大臣から法案の趣旨説明が行われ、本格的な審議が行われます。重要法案については、学識者等から意見を聴取する「参考人意見聴取」が行われる場合があります。審議が終了すると、採決が行われ委員長が可決・否決を宣言します。
可決されれば、再び本会議が開かれ、委員長から委員会の審議結果の報告が行われ、その結果について各党からの討論を行ったあと、採決が行われ、可決されれば法律は成立します。こうしたプロセスを踏んで法律は制定されます。
5月21日(月)~6月4日(火)の間、私は主に法案の審議のため、本会議に4回、国土交通委員会に4回、災害対策特別委員会に1回、憲法審査会に1回出席したほか、文教科学委員会及び農林水産委員会に欠席委員の差し替えで、予算委員会には応援でそれぞれ出席しました。なかなか、タイトな日程でした。
【自民党関係】
5月30日(水)、参議院議員総会が開催され、参議院の合区解消に向けた公職選挙法の改正について説明がありました。地方区の選挙区の格差是正のため埼玉選挙区の定員を2増(3年ごとの改選時では1増)とするとともに、全国比例の定員を4増(3年ごとの改選時では2増)とし、新たに拘束名簿方式の導入により合区された県からの選出者を必ず確保するという内容です。これに対して、参議院のありかたについての指摘や、増員についての懸念など様々な意見が出されましたが、橋本聖子議員会長に一任することとされました。
その他、治水議連、下水道議連、選挙制度調査会、財政再建特命委員会、故郷を愛する参議院議員の会、水力発電促進議連、国土強靱化推進本部、国家100年の計の勉強会、二八会勉強会、宏池会の定例会などに出席いたしました。
【都内の催し】
5月21日(月)、全国防災協会の理事会に出席し、副会長としてご挨拶をさせていただきました。
22日(火)、道路建設業協会の総会後の懇親会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
23日(水)、全国技術センター等協議会総会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
24日(木)、全国測量設計業協会の総会後の懇親会に遅れて出席し、ご挨拶をさせていただきました。
28日(月)、建設コンサルタンツ協同組合総会懇親会と全国特定法面保護協会総会懇親会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
29日(火)、全国高速道路建設協議会第54回総会でご紹介をいただきました。夕方には京都府市議会議長会北部ブロック懇親会、紀の川大堰に関する和歌山市議会議員連盟との意見交換会等に出席してご挨拶をさせていただきました。
30日(水)、建設電気技術協会定時総会、全国建設業協会定時総会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。続いて全国建設業協会設立70周年記念パーティーに出席したあと、日本河川協会総会懇親会に出席しご挨拶をさせていただきました。日本河川協会の懇親会では、全国で川の活動をされているNPOの皆様に久々にお会いできて懐かしかったです。ありがとうございました。
31日(木)、東京都中小建設業協会の総会懇親会、建設産業専門団体連合会の総会懇親会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
6月1日(金)、日本水道工業団体連合会総会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
日程の都合で、出席が叶わなかった会合がたくさんあります。関係の皆様に深くお詫び申し上げます。
【地方の催し】
5月23日(水)、京都府建設業協会の70周年記念式典に佐藤信秋参議院議員とともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
5月28日(金)、6月10日投開票の新潟県知事選の候補者で、国土交通省出身の花角英世(はなずみ ひでよ)候補の応援で新潟市に伺いました。
まず、花角さんの選挙事務所に伺い、奥様やスタッフの皆さんにご挨拶をさせていただきました。その後、新潟県トラック協会に伺い、ご挨拶をさせていただきました。
続いて、新潟県建設業協会の総会後の懇親会に参加して塚田一郎参議院議員、佐藤信秋参議院議員等とともにご挨拶をさせていただきました。私からは、日頃のご支援に感謝申し上げるとともに、新潟県知事選挙、さらには来年の参議院議員選挙への支援をお願いしました。
引き続き、国土交通省及び新潟県の土木関係OBの会に佐藤信秋参議院議員とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
5月26日(土)、手取川・梯川総合水防演習が国土交通省北陸地方整備局、石川県、地元川北町の共催で開催され、国土交通省の毛利事務次官や地元の佐々木紀衆議院議員、山田修路参議院議員とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
演習は、石川県川北町の霞堤地域で約800人が参加して行われ、和太鼓のオープニングで始まり、情報伝達訓練、伝統的水防工法の訓練、重機や最新の機器を使った近代的水防工法の訓練、自衛隊・警察・消防によるレスキュー訓練、救急搬送・応急医療訓練など、実践的訓練が目白押しでした。
5月27日(日)、「木曽三川連合総合水防演習・広域連携防災訓練」が、国土交通省中部地方整備局、岐阜県、愛知県、三重県、地元岐阜市等の共催で開催され、石井啓一国土交通大臣や古田岐阜県知事、全国水防管理団体連合会会長で大先輩の脇雅史前参議院議員、地元の大野泰正参議院議員とともに出席し、一言ご挨拶をさせていただきました。この演習を長良川で行うのは6年ぶりとのことでしたので、私が整備局長の時以来になります。
演習は、岐阜市の長良川河川敷で約2,000人が参加して行われました。情報伝達訓練、五徳縫い工や畳張り工、折り返し工など他の会場ではあまり見かけない工法を含め多様な伝統的水防工法の訓練、重機や最新の機器を使った近代的水防工法の訓練、自衛隊・警察・消防によるレスキュー訓練、救急搬送・応急医療訓練など、実践的訓練が目白押しでした。6年前、私が「日本一の水防演習」と賞賛した技術力は健在でした。
【建設分野のトピックス】
国土交通省関東地方整備局は、土木構造物に設置する銘板の記載対象技術者を6月から拡充すると発表しました。記載対象に元請け会社の担当技術者、下請施工会社の会社名、専任技術者を加えるとのことです。
私がかつて所長としてダム本体工事に携わった宮ヶ瀬ダムでは、建設工事に携わった建設省、施工業者、下請業者の方々のみならず、ゲートの施工業者や設計に携わったコンサルタントの担当者、さらに建設省職員とともに働いていた現場技術業務の方々も対象とし、1200人を超える皆さんの名前を刻んだ銘板を設置しました。関係者の評判は非常によく、このような取り組みの拡大を願っていた私としては大変嬉しく思います。技術者の足跡を残すことで、土木技術者の誇りとやりがいを育み、建設業界の担い手確保にも繋がることを期待するとともに、このような取り組みが全国に広がることを期待しています。
全国建設業協会(全建)は都道府県建設業協会の会員企業が存在しない「災害対応空白地域」の調査結果(18年4月調査)をとりまとめ公表しました。空白地域は全市区町村(1741)の11%となる187市町村で、15年11月の前回調査(188市町村)に比べて減少しましたが、2社以内にとどまる市町村は90カ所(前回72カ所)に増加し、災害対応が滞る空白地域の拡大が懸念されるとのことでした。
空白地域解消の抜本的な解決法は、将来を見通せる安定的な事業量の確保だと思いますので、引き続き公共事業予算の確保に全力で頑張って参ります。
皆さん、引き続きご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。