2018年インドネシア中部スラウェシ島地震 被災現場調査(その3)
続いてパル市内に戻り、沿岸部の津波被災地の調査を行いました。
沿岸部では10mを超える津波に見舞われたとの報道もありましたが、それは水しぶきの高さで、浸水深としては約3mであったようです。なお、当時海岸付近の公園でイベントの開催中で、それが犠牲者を増やす大きな要因となったと伺いました。
まず、津波の発生に関わったのではないかと考えられている沿岸部の地すべり地区に伺いました。沿岸部の道路が背後地もろとも海に落ち込んでいました。ただし、この程度の規模で巨大な津波を発生させることができるのか、しっかり検証する必要があると考えられました。
続いて、パル川河口に建設されていた橋梁の落下地点に伺いました。パル市の象徴的な黄色いアーチの橋ですが、この程度の地震で落橋したのは構造的な問題があったのではないかと考えます。
続いて、公営住宅や病院の被災箇所にも伺いました。近隣の建築物でも被害のないものもたくさんありましたので、これらについては設計ないしは施工に問題があったのではないかと考えられます。
さらに、海岸部に残ったモスクに伺いました。不思議な残り方をしていることから震災のシンボル的な施設となっており、復興のシンボルとして活用することも検討されていると伺いました。