海底鉄道トンネルの「マルマライ」を視察
7月6日(金)から13日(土)まで、トルコのイスタンブールとUAE(アラブ首長国連邦)のドバイに、京都大学河川工学研究室の井上和也名誉教授や同級生の兪さん、藤田さんとともに、インフラの整備状況の視察で伺いました。
まず最初に、大成建設が中心となって施工したヨーロッパとアジアを結ぶボスポラス海峡の海底鉄道トンネルの「マルマライ」を視察しました。
この海底トンネルは、総延長13.6km(そのうち海峡下の延長1.4km) で、TBMによるトンネルと沈埋トンネルの組み合わせで施工したものです。海峡部で流速が早く、上層と下層では流向が異なるなど厳しい条件のもと沈埋トンネルを施工しなければならず、日本の技術力が高く評価され施工することができたものです。
特に、TBMの施工区間と沈埋部の接合部の施工には大変厳しいものがあったと聞きますが、マルマライに乗車させていただき、確実な施工が行われ、現在では多くの方々に利用されていることがよくわかりました。
マルマライの施工に当たっては、世界遺産のアヤソフィアやブルーモスク、トプカピ宮殿に近い旧市街地の中での施工でもあり、大変ご苦労されたと伺いました。
また、施工中にはビザンチン時代等の遺跡が発掘され、それに対する対応の結果、2年程度、工程が遅れることとなったとのことでしたが、結果的に様々な貴重な遺跡の発掘にもつながったと聞きます。
マルマライの各駅には、そうした状況を紹介するパネルがたくさん掲示されており、苦労された状況がつぶさにわかりました。
なお、私自身、平成21年3月に「第5回世界水フォーラム」でイスタンブールを訪れた際に、谷口技監の随行で施工中の沈埋トンネルの現地で立坑を降りて施工状況を見させていただいており、今回、記念の記名もさせていただいた上、完成したマルマライにも乗車することができ、とても感激しました。
現地では、大成建設の下村さん、実際に施工に携わられご苦労された今石さんにご同行いただき、ご説明もいただきました。ありがとうございました。