嵐山左岸 全国初の油圧可動式止水壁による溢水対策方式

12月17日(土)、嵐山左岸の溢水対策では、観光地である嵐山や桂川に架かる渡月橋の景観を守りながら、大雨による浸水被害を軽減するため、全国初の油圧可動式止水壁による溢水対策方式を採用しています。
桂川を管轄する国土交通省淀川河川事務所と地元が何度も意見交換を重ね、地元関係者から「電動で上がるような堤防はできないか」との発言を受けて計画を検討し、可動式止水壁方式での施工にいたったとのです。
なお、この方式は、平成14年に私が内閣官房の安全保障・危機管理担当をしていた時に、土木学会・国土交通省とともにヨーロッパの水害調査に伺った際に、ドナウ川支川のモルダウ川が流れるチェコの首都プラハで視察した「モバイル・レビー(可搬式堤防)」がベースにあると考えています。
世界遺産のプラハの旧市街の街並みを保全しつつ水害から守るため、金属板をはめ込む形の「モバイル・レビー」が設けてありました。それと同様の可搬式堤防が、さらに日本らしいハイブリッドな構造で整備されたのは、大いに評価したいと思いますし、淀川の河川整備基本方針の策定に携わった私としてもとても嬉しく思います。
なお、京都市はチェコの首都のプラハ市と姉妹都市提携を結んでおり、ご縁を感じます。