土木技術者「廣井勇」さん
ところで、皆さんは「廣井勇」さんをご存知でしょうか?
NHKの朝の連続ドラマ「らんまん」で主役の植物学者「牧野富太郎博士」と同じ1862年に、同じ土佐藩佐川村に生まれた土木技術者です。ドラマでは、広瀬佑一郎という名で登場しました。
当時、明治政府は日本の産業振興を進めるために欠かせない石炭資源を北海道に求め、幌内炭鉱から運び出される石炭を全国に積み出すための港として、小樽港を整備することとしました。廣井勇さんは、小樽築港事務所初代所長に就任し、小樽港北防波堤の建設などに携わり、世界的に海水中で使用するコンクリートの耐久性が疑問視されていた中、長期耐久性試験等に長期強度を明らかにし、北防波堤を完成させました。これによって、貨物船の安定的な入出港、荷役作業が可能となりました。この建設工事は、近代日本における本格的な港湾整備の第一歩となり、わが国の経済の発展に大きく貢献しました。廣井勇さんは、こうした築港技術に心血を注ぎ込まれた土木技術者です。
写真は、廣井勇さんの
ふるさと高知県佐川町にある銅像と、小樽運河にある胸像です。