ライン川及びその支川トゥール川 洪水対策現場視察
9月13日(金)、午前中チューリヒ州内のライン川及びその支川のトゥール川の洪水対策の現場を視察しました。
ライン川本川では低水護岸を撤去して水制に変えて河積拡大を図るとともに再自然化を図っていました。なお、トゥール川合流点の上流のライン川本川では、引堤や堤防かさ上げが困難なため、移動式パネルを洪水時にはめ込む形式の堤防「モバイル・レビー」をやむを得ず採用している区間があるとのことでした。
一方、トゥール川では100年以上前に直線化された複断面の川の低水護岸を撤去するとともに高水敷を掘削し、河積の拡大を図りつつ蛇行を回復するとともに、自然の営力で河原の再生を実現していました。また、堤防を大幅に引くことにより背後地の農地の安全度を高めるとともに、貴重な河道内の湿地性の森の保全を図っていました。
土地利用の状況が違うのでそのまま日本で取り入れるのは難しいですが、洪水対策と再自然化を両立する非常に大胆な取り組みと評価できるのではないかと考えられました。
なお、これを最後にチューリヒ空港に向かい、フランクフルト空港経由で日本に帰国しました。