ボスポラス海峡 ヨーロッパ側とアジア側を結ぶ道路ネットワークを視察

一方、ボスポラス海峡のヨーロッパ側とアジア側を結ぶ道路ネットワークについても視察を行いました。
ボスボラス海峡は、黒海とマルマラ海を結ぶ約30kmの海峡で、現在、3つの橋がかかっています。
1つ目の橋が、以前はボスポラス大橋と呼ばれた1074mの「7月15日殉教者の橋」で、1973年に開通しています。
2つ目の橋が、1090mの「ファーティフ・スルタン、メフメット橋」で、日本のODAにより、IHI、三菱重工業、日本鋼管、伊藤忠商事が中心となって1988年に建設されました。全長は1,510メートルです。
3つ目の橋は、1400mの「ヤウズ・スルタン・スリム橋」で、韓国がBOTで施工したもので、両端が斜張橋で中央部が吊り橋という珍しい構造です。イスタンブール市内を迂回するルートとなっており、新たに開港したイスタンブール空港に直結しており、2016年8月に開通しました。
なお、これらに加え、マルマラ海のエーゲ海側のダーダネルス海峡にも2023年にチャナッカレ橋が開通し、アジアとヨーロッパを結ぶ橋は4橋となっています。
さらに、それらに加えイスタンブール市内には、「ユーラシアトンネル」という4車線の海底トンネルが、2016年にマルマライの南側1km付近に開通しています。この道路トンネルは、全長14.6キロメートル で、うちマルマラ海の海底部は3.4キロメートルです。韓国の企業とトルコの企業が組んで、BOT方式で施工・管理が行われています。
平成21年3月に「第5回世界水フォーラム」でイスタンブールを訪れた当時はボスポラス海峡には2本の橋しかなく、大渋滞が発生していましたが、それ以降、1本の橋と道路トンネルが完成しており、渋滞解消と言う面で大きな効果を発揮発揮していました。
トルコの積極的な交通インフラの整備に頭が下がります。