【欧州河川調査②】

8月16日(金)、前日中に列車でロンドンに移動し、ロンドンの中心部を流れるテムズ川下流部のテムズバリアに伺い、イギリス環境庁のリチャード・ハンドリーさん、ナチュラルイングランドのエデル・マガークさん他、大勢の皆さんから、イギリスの河川政策や環境政策、テムズバリアの目的、構造、機能や気候変動への対応を考慮した改築計画などについてレクチャーをいただきました。日本からは土木研究所 流域水環境研究グループ長の中村圭吾さんから日本の河川政策、環境政策についてレクチャーを行い、意見交換を行いました。丸一日の長丁場でしたが、日英双方から熱心な質疑応答があり、充実した意見交換となりました。
テムズバリアは、高潮対策のために建設されたものですが、管理開始後40年を迎え
老朽化が進んでいること、気候変動による新たな高潮リスクへの対応が必要となったことなどから、「テムズバリア2100計画」が策定され、現在、①既存バリアの改築、②バリアの新設、③貯留施設による代替、④閘門付きバリアへの改築、の4つの方策を検討中で、今後段階的に実施していくとのことでした。
なお、テムズ川の水質に関する質疑の中で、テムズ川流域の上下水道を管理する「テムズウオーター」の経営問題が水質問題に関係していることが話題となり、興味深い情報が得られました。