足立としゆき夢だより【第280号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
ここ数日は暖かな日和でしたが、今日2月21日(水)から再び寒くなっており、まさに三寒四温といった状況ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
2月21日(水)、今国会から委員長に就任した参議院財政金融委員会が開催され、「令和6年能登半島地震災害の被災者に係る所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の臨時特例に関する法律案」の審議を行い、全会一致で可決しました。その後直ちに緊急上程を行い、本会議において委員長報告をさせていただき、全会一致で可決成立させることができました。能登半島地震で被災された方々の負担軽減のため、確定申告に間に合うように税の軽減措置の早期成立を目指していましたので、被災地の支援に貢献できて感無量です。なお、本会議での委員長報告ははじめての経験でしたので、大変緊張しました。
ところで、既に速報版でもお伝えしましたが、「公共工事設計労務単価」、「設計業務委託等技術者単価」の引き上げについて、2月16日(金)、国土交通省から発表がありました。
令和6年3月1日から適用されるもので、「設計労務単価」は主要12職種の全国平均で前年度比+6.2%アップで、平成25年度以降12年連続の引き上げとなりました。
また、「技術者単価」についても、全職種平均で前年度比+5.5%のアップと過去最高の伸び率となり、同じく平成25年度以降12年連続の引き上げとなりました。
能登半島地震でご苦労いただいている地域の建設業の皆さんにとっても「報われた」と感じていただける水準の伸び率であり、大いに歓迎したいと思います。これによって業界全体として賃上げが実現されることを期待したいと思います。
なお、令和6年4月からは、時間外労働の上限規制が適用されますが、これに対応するために必要な経費を反映したものとなっているとのことですので、ご承知おき願います。
これに先立ち、2月7日(水)、「公共工事品質確保に関する議員連盟」の根本匠会長、佐藤信秋幹事長、梶山弘志事務局長とともに、斉藤鉄夫国土交通大臣のところにお伺いし、設計労務単価・技術者単価の引き上げ、担い手確保の取り組みの推進、公共工事の円滑な施工の確保の徹底、総合評価落札方式における加点措置の適切な運用等について、要望活動を行いました。
私からは、能登半島地震において大手ゼネコンとともに地域建設業の皆さんが、自ら被災しているにもかかわらず、寸断された道路の応急復旧等に献身的に取り組んでおられるので、彼らが「報われた」と感じられる措置を斉藤大臣にお願いしました。大臣からは「私も現場に伺ったが、地域建設業の皆さんはご自身が被災しているにもかかわらず、本当によく頑張っていただいている。ぜひ、報われたと感じていただけるように頑張る」とお答えをいただきました。これを受けての今回の引き上げに感謝を申し上げたいと思います。
以下、最近の動向を報告します。
【国会の動き】
「令和6年能登半島地震災害の被災者に係る所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の臨時特例に関する法律案」の審議を行うため、2月16日(金)に財政金融委員会の理事懇談会に、2月21日(水)に財政金融委員会に委員長として出席しました。なお、この法律は直ちに本会議に緊急上程され、全会一致で可決成立しました。
【自民党の動き】
自民党の公務員制度改革PTの座長を仰せつかり、2月8日(木)に第1回、2月14日(水)に第2回、2月20日(火)に第3回目の会議を開催しました、
この他、国土交通部会、住宅土地・都市政策調査会の住宅確保困難者対策PT、参議院の政策審議会などに出席しました。
【都内の動き】
2月6日(火)、京都大学の土木工学科河川工学研究室の井上和也名誉教授の教え子が一堂に会する「井上先生を囲む会」に出席しました。国土交通省の水管理・国土保全局の廣瀬局長や鹿島道路の吉田社長をはじめ大勢の関係者が出席しており、盛り上がりました。井上先生とは昨年末のフーバーダム等のアメリカ・インフラ調査でご一緒させていただきましたので、この機会にご紹介させていただきました。
2月13日(火)、建設産業専門団体連合会の前会長の才賀清二郎様のお別れの会に出席し最後のお別れをさせていただきました。
その後、国土交通省の会議室で開催された、昨年9月の「欧州近自然川づくり調査団」の報告会に出席しました。
報告会には、国土交通省の水管理・国土保全局の廣瀬局長はじめ各課長など職員の皆さん、水源地環境センターの平井理事長、小平理事、リバーフロント研究所の塚原代表理事をはじめ国土技術研究センター、河川情報センターなど河川環境に関わっている皆さんにご出席をいただきました。
報告会では、冒頭に廣瀬局長からご挨拶をいただき、続いて中村北海道大学大学院教授、辻本名古屋大学名誉教授、池内河川情報センター理事長、舛田河川環境課技術調整官、大杉水源地環境センター次長、中村リバーフロント研究所主席研究員から報告があり、最後に私から報告をさせていただきました。
私からは、今回の調査でも新たな気付きがあり、欧州近自然川づくりは現在も進化を続けていることから、今後も継続的にウォッチし続けることが必要であるとともに、日本の若手技術者にもスイスやドイツの技術者との意見交換を積極的に続けていただくようお願いをさせていただきました。
この調査が、今後とも継続的に続けられることを願っています。
2月19日(月)、コンサルティングエンジニア連盟の総会で講演をさせていただき、能登半島地震について参議院予算委員会で質問したこと、被災地の富山県氷見市、石川県七尾市・穴水町にお伺いしたこと、インドネシアや米国、欧州でのインフラ調査等についてご紹介しました。
その他、物部川改修期成同盟会の首長の皆さんとの意見交換会、東京・四国温旧会、四国8の字ネットワーク整備促進四国南東部連盟「道路整備に関する冬期意見交換会」、筑水会の皆さんとの意見交換会、佐賀県の藤本県議及び建設業協会の若手の皆さんとの意見交換会に出席しました。
【地方の動き】
2月9日(金)、宮城県建設業協会の上田徹様の旭日雙光章受章、小泉進様の黄綬褒章受章を祝う会が、宮城県建設業協会や東北建設建設業協会の幹部の皆さんの出席のもと、仙台市内で開催されました。私も、小野寺五典衆議院議員、佐藤信秋参議院議員ととも出席して、お祝いのご挨拶をさせていただきました。お二人には、東日本大震災からの復旧復興にも大変ご尽力をいただきました。心からお祝い申し上げます。
2月10日(土)、鳥取空港で兵庫県建設業協会浜坂支部の伊藤支部長にお迎えいただき、施工中の山陰近畿道浜坂道路Ⅱ期の工事現場を視察しました。
浜坂道路Ⅱ期事業は、新温泉町栃谷から居組までの延長7.6㎞で、トンネルが6本、橋梁が5橋と構造物ばかりの区間です。現場では、西村新温泉町長、兵庫県新温泉土木事務所の小崎所長、女性技術者の佐藤所長補佐、小林課長にご案内いただき、先ずは完成済みの新釜屋トンネル坑内で小崎所長、佐藤所長補佐から事業概要についてご説明をいただきました。トンネルの壁にプロジェクターで説明用パワーポイントを写し込んでご説明をいただいたので驚きました。現在、6本のトンネルの内、1本が完成、3本が施工中との事でした。
続いて、諸寄高架橋の現場をご案内いただきました。この区間は、完成2車線で整備されていますが、能登半島地震のように自然災害等による障害発生時に機能不全に陥らないように、予め交通ネットワークを多重化しておくことが重要と考えます。
令和10年完成目標との事でしたが1年でも早く完成するようお願いしました。なお、ご地元の谷公一衆議院議員事務所の太田秘書に同行いただきました。
続いて、兵庫県建設業協会の但馬3支部協議会の川嶋会長、豊岡支部の中川支部長、南丹支部の福井支部長、浜坂支部の伊藤支部長他役員の皆さんとの意見交換会を開催いただき、谷公一衆議院議員ともに国政報告をさせていただきました。
2月12日(月)、兵庫県西宮市で開催された「国道176号名塩道路 生瀬トンネル完成式」に出席しました。西宮市は、私が生まれた場所であり、兵庫県庁出向時に両親とともに住んでいた場所でもあり、お声かけをいただき大変嬉しく思っています。
伊丹空港で近畿建設協会の谷本理事長にお出迎えいただき、近畿地域づくりセンターの小椋審議役にご案内をいただきました。
名塩道路は、国道176号の交通混雑の緩和や武庫川の増水などの異常気象時の交通確保を目的として西宮市内に整備される道路で、武庫川に沿った狭隘な箇所に新たに生瀬トンネルを整備して四車線の道路を確保するものです。
完成式には、国土交通省の見坂近畿地方整備局長、杉浦兵庫県県土整備部長、石井西宮市長らがご出席され、私もご地元の赤羽一嘉衆議院議員、末松信介参議院議員など10名の衆参国会議員の先生方とともにご挨拶をさせていただきました。
近畿地方整備局でかつて一緒に勤務した兵庫国道事務所の堤所長の施工概要説明に続いて、現場代理人を務められたオリエンタル白石の瀧沢涼さんからの報告がありました。瀧沢さんは入社4年目の女性技術者で、このように現場の第一線で活躍している若手の声を紹介するのはとてもいい取り組みだと思います。
続いて、トンネル抗口の前に移動してテープカット・くす玉開披、トンネルの通り初めパレードに参加させていただき、真新しい道路の走行を楽しみました。
2月14日(水)、高松市の四国地方整備局で「四国ダム技術向上検討会」が開催され、佐々木整備局長やリモート参加も含めると100名以上のダム事業の担当者の皆さんと参加をさせていただきました。
この検討会は、私が四国地方整備局長だった平成21年に、政権交代に伴いダム事業が多数中止されるなどダムの行く末が不透明な中、ダム技術の継承を図ることを目的として発足させたもので、コロナ禍による中断も乗り越え、これまで継続されていることを嬉しく思っています。
今回の検討会では、令和2年度に完成した横瀬川ダムのふり返りとして、中村河川国道事務所工務第一課長の渡辺さん、渡川ダム総合管理事務所専門職の小田さんから本体工事の積算について、建設マネジメント四国四万十営業所長の増田さん、水資源機構早明浦ダム・高知分水管理所長の冨さんからダム本体施工について、四国地方整備局河川計画課長補佐の弘田さんから試験湛水について、それぞれの段階の苦労や教訓が紹介されました。
その後、私から「最近のダム事業の動向について」と題し、これまでダム技術者として携わってきた経験や、ダム再生に対する強い思い、アメリカのフーバーダム等海外のインフラ調査について思いを述べさせていただきました。貴重な機会を与えていただきました佐々木局長はじめ幹部の皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございました。
2月16日(金)、山口県宇部市で開催された全測連中国地区協議会の和田会長(島根県測協)、伊藤山口県測協会長、森脇広島県測協会長、澤鳥取県測協会長、清水岡山県測協会長との意見交換会に出席しました。
和田会長から国土交通省から発表のあった「設計業務委託等技術者単価」のアップへの感謝のご挨拶があったあと、私から能登半島地震の現状と課題、公共工事設計労務単価、設計業務委託等技術者単価の引き上げについて、測量業界の業務領域拡大PTにおける議論などについてお話をさせていただき、意見交換をさせていただきました。
ご地元でご準備をいただきました伊藤山口県測協会長に感謝申し上げます。
2月17日(土)、熊本県南阿蘇村の立野ダムのダムサイトで開催された「立野ダム完成式」に出席しました。前日にお伺いした山口県小野田市の厚狭駅から新幹線で熊本入りし、熊本駅から国土交通省OBで立野ダムの副所長の経験もある寺下さんにご案内いただきました。
立野ダムは、白川流域に甚大な被害をもたらした昭和28年水害を契機として、阿蘇の外輪山からの出口である立野地区に計画された直轄ダムとしては初の流水型ダムです。
工事中の平成28年には熊本地震により仮排水路トンネルが埋塞するなどの被害を被り、ダム本体工事中の令和5年7月の洪水の際には一時的に洪水を貯留するなどの事態も発生しましたが、無事に試験湛水も完了し完成できたのは、関係者の皆さんのご努力のおかげであり感謝申し上げます。
式典には、国土交通省から斉藤国土交通大臣、廣瀬水管理・国土保全局長、森戸九州地方整備局長のほか、蒲島熊本県知事、白川改修・立野ダム建設促進期成会長の大西熊本市長、吉良南阿蘇村長、金田大津町長ほか流域市町村長の皆さんが出席されました。ご地元の坂本哲志農林水産大臣からご挨拶があった他、私も金子恭之衆議院議員、馬場成志参議院議員をはじめ衆参国会議員の皆さんとともにご紹介いただきました。
その後、ダム天端右岸側に場所を移して新たなダム名「阿蘇立野ダム」の発表とともに、衆参国会議員や地元の関係者の皆さんとともに除幕に参加させていただきました。
式典の後、旧立野小学校の立野ダム広報室で開催された「立野ダム完成祝賀会」に出席しました。祝賀会に先立ち、地元高森町の高森吹奏楽団の皆さんによる演奏を楽しませていただきました。
祝賀会では、白川改修・立野ダム建設促進期成会会長の大西熊本市長のご挨拶に続き、斉藤鉄夫国土交通大臣、蒲島熊本県知事、坂本哲志農林水産大臣からご挨拶がありました。
蒲島知事からは、これまでの4期16年を振り返り、川辺川ダムをはじめダム問題に関わる紆余曲折についてお話がありました。その上で、残りの任期2ヶ月の間に球磨川流域で進めている流水型ダムを含む治水対策への道筋をつけたいとおっしゃいました。
そして、降壇後、私のもとに歩み寄られ「いろいろとご迷惑をかけました。」とのお言葉を述べられました。かつて私は水管理・国土保全局長として蒲島知事とは反対の立場にあったわけですが、知事は令和2年の球磨川水害を契機に、流水型ダムの建設に大きく舵を切られました。この知事のお言葉を、私としてもしっかり受け止めたいと思います。