足立としゆき夢だより【第279号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
立春を過ぎた2月5日(月)、午後から深夜にかけて関東を中心に大雪となり、東京都心でも積雪のため首都高速道路が全面的に通行止めとなるなど交通機関にも大きな影響が出ました。昨日、今日と、各地で影響が出たのではないかと思いますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
さて、1月31日(水)、能登半島地震が発生してほぼ1ヶ月になりますが、今回の地震で被災した富山県氷見市、石川県七尾市、穴水町に伺いました。
氷見市では、まず、氷見建設会館で氷見市の林市長、ご地元の光澤県議、富山県氷見土木事務所の高嶋所長、発生直後から応急復旧にあたっていただいている氷見建設業協会の森越会長、干場支部長他会員の皆さん等から被災状況の説明を受けました。
なお、氷見市では当初多数の断水家屋が出ていましたが、1月21日までに解消していました。また、避難者も23日までにみなし仮設として市営住宅を活用することなどで解消していました。林市長をはじめ関係者の皆さんのご尽力に心から敬意を表します。
その後、ニ級河川の上庄川、阿尾川の被災現場に伺いました。移動中の道路には多数の亀裂や段差が発生しており、遠回りを余儀なくされました。
上庄川では堤防が側方流動により沈下したり、川側にはらみ出しなどしていました。また阿尾川では、根固め部のコンクリート矢板が、川側に倒れ込んでいる状況を確認しました。いずれの河川についても出水期に間に合わせるため、早期に原形復旧を行うことが必要と感じました。
続いて、道の駅氷見「ひみ番屋街」の近くの北大町地区に伺いました。全国ニュースでも報道された商店街の家屋倒壊箇所に伺いましたが、地盤の液状化が原因で多くの商店や家屋が倒壊しており、もともとのたたずまいを残してどのように再建するのかが大きな課題と考えられました。
その後、北部の姿地区に伺いましたが、こちらは大きな揺れにより多数の一軒家の家屋が倒壊しており、被害の大きさに驚きました。
続いて、氷見市の北隣の石川県七尾市に移動し、七尾鹿島建設業協同組合で石川県建設業協会七尾支部の田村支部長や戸田さん、川田さんなどから、応急復旧の状況について説明をいただきました。能登半島を南北に結ぶ国道249号については、各社分担して対応していただき、通行が確保されていることがよくわかりました。なお、水道については復旧しておらず、市内に一軒残っている銭湯が大混雑しているとのことでした。
その後、七尾市街地の家屋倒壊状況を見させていただき、続いて能登島との間に架かる全長1050mの能登島大橋に伺い、段差解消の措置を行い、何とか通行を確保している状況を見せていただきました。
次に、和倉温泉に伺い、海岸護岸が被災している状況を確認しました。なお、有名な温泉旅館の建物につきましては、地震動や液状化により大きな被害を受けており、復旧には相当程度時間がかかるように見えました。
その後、自動車専用道路の「のと里山海道」を通って穴水方面に向かいましたが、盛土箇所が10数箇所で大きく崩落するなど深刻な被害を受けており、地元建設業の皆さんが分担し大胆な切り替えを行ったり、新たに迂回路を整備することで一方通行ではありましたが、通行を確保していました。
なお、「のと里山海道」につきましては、能登半島の背骨とも言える重要な道路であり、今後、能越自動車道のような高規格道路並みに構造を強化することが必要であると感じました。
次に、七尾市の北隣の穴水町に移動し、穴水建設業協会で石川県鳳輪建設業協会の高木会長、穴水建設業協会の摩郷会長、塩谷伸栄建設社長と合流し、応急復旧の状況について説明をいただきながら、穴水町の中心街の内浦街道沿いの被災状況を見させていただきました。七尾市より震源に近いこともあって、建物倒壊の深刻さを感じました。水道が復旧しておらず、穴水駅前ではボランティアによる入浴支援が行われていました。道路などのインフラも復旧作業に手がついていない状況で、七尾市と比較して大きく遅れているように感じました。
なお、土砂災害で16名がお亡くなりになった由比ヶ丘地区にも伺いましたが、悲惨さに声も出ない状況でした。土砂災害の悲惨さを改めて痛感しました。
なお、今回は入ることが難しかった輪島市や珠洲市等にも、今後、状況を見ながら伺う事にしたいと思います。
以下、最近の動向を報告します。
【国会の動き】
1月30日(火)、本会議において内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、経済財政担当大臣による政府四演説が行われました。いよいよ予算審議が本格化します。
2月1日(木)及び2日(金)、参議院本会議において施政方針に対する代表質問が行われました。
【自民党の動き】
「公共工事品質確保法」の改正に向けた動きが活発化しています。
法改正の内容としては、①休日の確保や賃上げなどの処遇改善の推進など「担い手確保」、②適切な入札条件による発注や災害対応能力の強化など「地域建設業等の維持」、③新技術の活用や技術開発の推進など「生産性向上」、④公共工事等の「発注体制の強化」に加え、⑤測量業の担い手確保等を見込んでいます。
1月30日(火)、「公共工事品質確保法改正プロジェクトチーム」の第2回会議が行われ、法改正の骨子について説明を伺いました。
私からは、能登半島地震において、地域建設業の皆さん自身が被災していることを踏まえ、発災時の体制を確保するため、国土交通省によってあらかじめ何らかのサポートができないか検討するようお願いしました。
2月2日(金)、「公共工事品質確保に関する議員連盟」の総会が開催されました。私からは、能登半島地震において地域建設業の皆さんが寸断された道路の応急復旧等に取り組んでおられ、随意契約の活用など入札契約の円滑化が行われていることに敬意を表した上で、熊本地震からの復旧で成果を上げた大手ゼネコンと地域建設業のJVについて、法改正を待たずに能登半島地震からの復興にあたり活用するようお願いしました。さらには、能登半島地震における入札契約面の教訓や反省事項を洗い出し、検証の上反映できる事は反映するようお願いしました。
今後、早期に法改正が進んでいくよう、根本匠会長、佐藤信秋参議院議員とともにしっかり取り組んでいきたいと考えています。
2月5日(月)、津島淳衆議院議員の御尊父である津島雄二元衆議院議員のお別れの会に出席しました。
その他、参議院自民党の議員総会、外国人労働者等特別委員会、税制調査会の正副・顧問・幹事会議や小委員会、国土交通部会・奄美振興特別委員会・離島・半島振興特別委員会 合同会議、国土交通部会などに出席しました。
【都内の動き】
1月30日(火)、「タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議」の第2回定期総会及び「タイムライン防災10周年記念シンポジウム」に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
私が水管理・国土保全局長を務めていた平成24年に、アメリカのハリケーン・サンディの被害を調べるため国土交通省と土木学会が協力して現地に調査団を派遣した際に、災害の発生状況に応じて対応するための指針として活用されていた『タイムライン』について、その当時の太田国土交通大臣に報告し、私の後任の森北局長が大臣と相談して導入を決定したものです。国内でも、災害に頻繁に見舞われる自治体を中心に徐々に普及が進んでおり、大きな成果を上げはじめています。
その関係で太田昭宏元国土交通大臣と私が特別顧問としてご案内をいただいています。
【地方の動き】
2月3日(土)、福岡県朝倉市で開催された「寺内ダム再生事業着手式」に出席しました。
寺内ダム再生事業は、平成29年7月の九州北部豪雨を契機に計画されたもので、利水容量を洪水調節容量に振り替え拡大するとともに、非常用洪水吐きを改造して放流量を増やすことで寺内ダムの洪水調節能力を向上させるもので、平成29年の九州北部豪雨と同程度の大雨に対して下流域の氾濫を防ぐことが出来ます。
式典では、水資源機構の金尾理事長、国土交通省の廣瀬水管理・国土保全局長、福岡県の生嶋副知事等のご挨拶ののち、全国治水砂防協会顧問の古賀誠元衆議院議員、佐藤信秋参議院議員らとともにご挨拶をさせていただきました。
なお、水資源機構の松尾朝倉ダム総合事業所長からの事業概要説明の後、朝倉市の秋月地区に受け継がれている「秋月林流抱え大筒」の演舞の披露があり、20kg以上ある大きな火縄銃の轟音に度肝を抜かれました。火縄銃を持たせていただきましたが、想像以上にずっしりと重くて驚きました。
2月4日(日)、愛媛県大洲市に前日のうちに福岡空港から空路移動し、午前中は「山鳥坂ダム仮排水路トンネル起工式」、午後は「肱川緊急治水治水対策 国管理区間堤防完成式」に出席しました。四国クリエイト協会の藤山副理事長にご案内いただきました。
これらの事業は、平成30年の西日本豪雨により甚大な被害を受けた肱川流域において治水安全度を向上させるための要となる事業です。
このうち山鳥坂ダムは、私が四国地方整備局長をしていた平成21年に政権交代によって検証対象ダムとなり、私が水管理・国土保全局長をしていた平成25年に事業継続を決定した思い出に残るダムです。用地補償基準の調印間近で事業の中止を余儀なくされ、事業が遅れてしまい誠に申し訳ありませんでしたが、大洲市、愛媛県、四国地方整備局の皆様のご尽力でここまでこぎつけたことに心から感謝いたします。
「山鳥坂ダム仮排水路トンネル起工式」には、国土交通省の佐々木四国地方整備局長、本省の奥田治水課長、濱里愛媛県副知事、二宮大洲市長はじめ流域の市町長の皆さんが出席されました。私も長谷川淳二衆議院議員、山本順三参議院議員とともにご挨拶と鍬入れをさせていただきました。
その後、山鳥坂ダム工事事務所の竹内所長による事業概要説明に続き、施工者である鹿島建設の風間副社長からご挨拶がありました。風間副社長は、大学の同じ研究室の後輩でもあります。施工者の挨拶は地元の方々に対してもとてもいいことだと思います。お取り計らいいただいた整備局の皆さん、ありがとうございました。
なお、鍬入れとくす玉開披に続いて、地元の肱川中学校総合文化部の皆さんによる管楽器演奏、山鳥坂鎮縄神楽(しめかぐら)保存会の皆さんによる演舞の披露がありました。溌剌とした演奏と勇壮な舞を楽しませていただきました。
「山鳥坂ダム仮排水路トンネル起工式」に先立ち、山鳥坂ダムのダムサイトに四国地方整備局の本山河川計画課長にご案内いただき伺いました。四国クリエイト協会の藤山副理事長にもご同行いただきました。
私が局長の頃のダムサイトより少し上流に移されていましたが、いよいよダム本体工事に向けて本格的に始動する、そんな感じを受けました。
午後からの「肱川緊急治水治水対策 国管理区間堤防完成式」には、国土交通省の佐々木四国地方整備局長、本省の奥田治水課長、濱里愛媛県副知事、二宮大洲市長はじめ流域の市町長の皆さんが出席されました。私も長谷川淳二衆議院議員、山本順三参議院議員とともにご挨拶とくす玉開披をさせていただきました。
肱川緊急対策河川事務所の松山所長の事業概要説明に続き、地元の粟津小学校の和太鼓クラブの皆さんによる演奏があり、力強いパフォーマンスを楽しませていただきました。その後、和太鼓演奏をしていただいた小学生の皆さんとともにくす玉開披を行いました。