足立としゆき夢だより【第265号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

7月28日に発生した台風6号が迷走を続けた後、沖縄県や奄美地方などを長時間にわたり暴風雨圏に巻き込みながら九州西方海上を北上しており、大雨による影響などが懸念されます。
また、8月8日(火)には、台風7号が日本の南方海上で発生し、本州を直撃するような動きをしており、引き続き皆様には厳重な警戒をお願いしたいと思います。

今年これまでの大雨で亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。
また、被災地の復旧活動や道路・河川のパトロール、通行止め措置などの緊急対応を行っていただいている地域の建設業の皆さんをはじめ、災害対応に尽力されているすべての皆様に感謝を申し上げます。

さて私は、7月15日(土)の九州北部豪雨の現地視察に続いて、平成29年7月以来の記録的な豪雨に見舞われた秋田県の被災地に7月21日(金)に伺い、被災害状況の把握に努めるとともに、玉川ダムや前回の豪雨を踏まえ実施された激特事業やその後続いて行われた防災・減災、国土強靱化の緊急対策や加速化対策の効果を見させていただきました。

また、8月3日(木)には、参議院災害対策特別委員会の被災地調査として三浦信祐委員長、自民党の大野泰正筆頭理事をはじめ与野党の理事会メンバー8名で災害調査に秋田県に伺い、佐竹秋田県知事、穂積秋田市長、渡邉五城目町長等から様々なご要望を承ってまいりました。

これから、国土強靱化5か年加速化対策のための補正予算や令和6年度当初予算の概算要求等、ご要望を多くいただく時期となっていますが、今年の豪雨災害の状況と課題を踏まえ、被災地の一日も早い復旧・復興にむけた支援の強化、国土強靱化の拡充による事前防災対策の充実、そして、災害時の対応はもちろん、国土強靱化やインフラの整備を担う建設産業の持続的な発展に向け、皆さんとともに取り組んでまいりたいと思います。

【秋田県被災地調査】

7月21日(金)、7月15日に秋田県を襲った記録的な大雨で甚大な被害を受けた秋田県に被災状況調査に伺いました。
まず最初に、仙北市田沢湖町の雄物川水系玉川にある東北地方整備局が直轄で管理している玉川ダムに伺いました。
玉川ダムは、高さは100mですが、総貯水容量は2億54百万トンと我が国有数の巨大ダムで、今回の豪雨では下流玉川の水位や合流後の雄物川本川の水位が氾濫危険水位を超えるおそれがあったため、通常の洪水調節よりも大幅に放流量を抑制する特別防災操作、すなわちダムに入ってくる水を「全量カット」を行い、すべてダムに貯め込み、下流域の浸水被害を大幅に軽減しました。
玉川ダム管理所では、平葭所長から当時の状況を伺い、全員集まっていただいた事務所の職員の皆様にお礼と感謝を申し上げました。
私は、玉川ダムの建設最盛期の昭和59年から昭和60年の2年間、工務課長、調査設計課長として勤務をし、ダム本体の建設に従事させていただきましたので、今回の玉川ダムの活躍は大変誇らしく思っています。

次に、田沢湖駅で秋田県建設業協会の渡辺専務理事と合流して大仙市に移動し、仙北建設業協会の佐藤会長、宮原理事にご案内をいただき、平成29年の災害で特に被害の大きかった雄物川中流部や支川の淀川で「河川激甚災害対策特別緊急事業」として河道掘削や堤防整備が行われた箇所を見させていただきました。今回の豪雨でも雄物川本川の整備効果が確認ました。
なお、支川の淀川等では上流部に未整備地区が残っており、引き続いての整備の必要性を感じました。
また、すでに雄物川本川に整備されている強首地区の輪中堤にも伺いましたが、今回の豪雨でもしっかり被害を抑え込んでいることが確認できました。

次に、今回の豪雨でもっとも被害が大きかった秋田市に伺い、秋田県建設業協会で北林会長、秋田中央建設業協会の平野会長、渡辺専務理事から被災状況についてご説明をいただき、続いて秋田市寺内神屋敷の国道7号の土砂崩れ現場に伺いました。
現場を担当している伊藤組の伊藤社長に状況をご説明いただきましたが、現場は建設業の皆様の懸命な作業で幹線道路の国道7号の片側通行は確保できており、全面開通に向け、最後の仕上げの整備が行われていました。

次に、TVでもたびだび報道されていたJR秋田駅付近の内水氾濫で浸水していたアンダーパスを経由して移動しましたが、その箇所はすでに問題なく復旧していました。ただし、他にも、通行止めのアンダーパスもあるとのことで、浸水被害の脅威を改めて感じました。

続いて、繁華街として有名な川反(かわばた)地区に伺い、中央通り沿いの旭川の護岸の崩落個所や、飲食店「割烹かめ清・遊食さい賀」のお店の中を見せていただきましたが、川沿いでは30cm近く泥が堆積し、エアコンの室外機はすべて被災し、地下室も水没するなど、当時の浸水被害の状況をお店のオーナーから詳しく伺うことができました。早期の復旧をお祈りしています。

最後に、添川字蓬田の県道秋田八郎潟線で土砂崩れが発生し、住宅と空き家計4棟が押しつぶされ、全面通行止めになっている現場に伺いました。現場では、秋田県庁農林水産部の村川さんからご説明をいただきましたが、土砂や流木で押しつぶされた家屋に暮らすご夫婦はたまたま外出していて無事だったとのことで、本当に良かったと思います。

なお、今回の視察の行程をご調整いただきました秋田県建設業協会の渡辺専務理事に感謝を申し上げます。

【国会の動き】

8月3日(木)、7月15日に秋田県を襲った記録的な大雨で甚大な被害を受けた秋田県に、参議院災害対策特別委員会の三浦信祐委員長、自民党の大野泰正筆頭理事をはじめ理事会メンバー8名で被災状況調査に伺いました。
まず最初に、雄物川中流部の左手子地区の輪中堤整備地区を視察しました。この地域では、平成29年の豪雨災害を契機に激甚災害対策特別緊急事業や防災・減災、国土強靭化の一環として直轄で整備が進められており、輪中堤自体は整備途上ではありましたが、今回出水でも大きな効果を発揮していることが確認できました。
なお、国土交通省の説明の中で、仙北市田沢湖町の雄物川水系玉川にある直轄管理している玉川ダムについても紹介がありました。
現地に伺う時間はありませんでしたが、先にも述べた通り、私がかつて本体建設工事に従事したダムで、今回の豪雨では下流玉川の水位や合流後の雄物川本川の水位が氾濫危険水位を超えるおそれがあったため、通常の洪水調節よりも大幅に放流量を抑制する特別防災操作、すなわちダムに入ってくる水を「全量カット」ですべてダムに貯め込む操作を行い、下流域の浸水被害を大幅に軽減したことが報告されました。

続いて、秋田市北部の五城目町に伺いました。
馬場目川の堤防決壊現場では、渡邉町長から直接ご説明をいただきましたが、決壊箇所から流木や土砂が農地にたくさん流入しており、農業被害は深刻でした。

続いて、秋田市内の添川字蓬田の県道秋田八郎潟線で土砂崩れが発生し、住宅と空き家計4棟が押しつぶされた現場に伺いました。
7月21日に伺った際には全面通行止めでしたが、その後復旧が進み、県道の通行は可能となっていました。現場では、秋田県庁農林水産部長からご説明をいただきました。

次に、JR秋田駅付近の内水氾濫で浸水していた明田アンダーパスを経由して移動しましたが、すでに問題なく復旧していました。
続いて、繁華街の川反(かわばた)地区に伺い、中央通り沿いの旭川の護岸の崩落個所を視察しました。川沿いのお店は浸水の影響でエアコンの室外機がすべて被災し、地下室も水没するなど大きな被害が出ていると報告がありました。早期の復旧をお祈りしています。

その後、秋田県庁に移動して、佐竹秋田県知事、秋田市長、渡邉五城目町長と参議院災害対策特別委員会のメンバーとの意見交換会が開催されました。
私からは、雄物川のような直轄の大河川は、平成29年の災害を踏まえ整備が進んでおり、また玉川ダムのように事前の防災対策も進んでおり、大きな被害は出ていませんでしたが、問題は秋田市内で氾濫した旭川、岩見川、太平川や、五城目町の馬場目川などの中小河川で、市街地内では川の拡幅や堤防嵩上げが困難であり、流域治水などあらゆる手立てを講じて対応する方策を考える必要があると、意見を申し上げました。

【自民党の動き】

7月26日(水)、自民党の国土交通部会が開催され、国土交通省から「令和6年度予算概算要求の基本方針」について説明がありました。
私からは、シーリングが1.0倍であれば、人件費のアップや資材単価のアップなどを考えると、実質的には工事量の削減につながるので、工事量を確保するため補正予算も含めて価格アップ分の予算をしっかり確保できるようにお願いをしました。

その他、参議院自民党の執行部会、自民党の災害対策特別委員会、国土強靭化推進本部の会合、大阪・関西万博推進本部の会合などに出席しました。
また、上川陽子衆議院議員のセミナーに参加し、立礼もさせていただきました。

【都内の動き】

7月25日(火)、6月に通常国会で成立した入管法の改正案の委員会審議の際にお世話になりました法務省官房の藤山さんが異動のご挨拶で来室されました。
藤山さんのお父さんは、国土交通省四国地方整備局OB で、私もご一緒に仕事したことのある仲間です。居合わせた四国と縁が深く、藤山さんとも面識のある尾林さん、竹島さんともご挨拶をしていただきました。

7月26日(水)、議員会館の事務所に、道路関係の要望でたくさんの団体の皆様がお越しになりました。
北海道のオホーツクの道を考える会の皆様、熊本県の長洲町議会の有明海沿岸道路整備促進特別委員会の磯野委員長はじめ委員の皆様、宮城県の国道4号拡幅改良と国道108号古川東バイパス建設の促進期成同盟会会長の伊藤大崎市長はじめ役員などの皆様にはわざわざご訪問をいただき、ありがとうございました。
また、私が不在の間にも、全国各地からご要望にお立ち寄りをいただいております。ありがとうございました。

7月27日(木)、「東北の社会資本整備を考える会」の増子東北経済連合会会長、千葉東北建設業協会連合会会長はじめ6県会長、新潟商工会議所の福田会頭などの皆さんの要望活動に佐藤信秋参議院議員とともに同行し、自民党の二階俊博国土強靭化推進本部長、林 幹雄地方創生実行統合本部長、梶山弘志幹事長代行に予算確保等について要望活動を行いました。

【地方の動き】

7月21日(金)、秋田県の被災地調査から羽田空港に戻り、千葉市で開催された全国建設青年会議第28回全国大会の「第3回準備会」に出席しました。籾山大会会長始め大会役員の皆様にはお招きありがとうございました。会では、熊谷千葉県知事、国土交通副大臣の豊田俊郎参議院議員、基調講演をされた大石久和全日本建設技術協会長とともにご挨拶させていただきました。
今回の大会テーマは「未来への一歩 ~建設産業が望む姿~」です。建設産業の若手経営者の皆さんが結集する12月の全国大会が楽しみです。

7月24日(月)、山形市で開催された「東北建設業青年会令和5年度通常総会」後の懇親会に出席し、佐藤信秋参議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。
今回の総会で、ガーディナー司子さん(青森県)が会長を退任され、新たに安達裕真さん(山形県)が会長に選任され、新役員の紹介と安達新会長からご挨拶がありました。
また、来賓で小林県土整備部長、東北地方整備局の各所長、太田山形県建設業協会長、北海道建青会から堀口会長、総会でご講演された写真家の山崎エリナさんなどたくさんの方々がご出席でした。
山崎エリナさんは「ローカルゼネコンの素顔 ー 誇りある眼差しの先に ー 」をタイトルにご講演をされましたが、建設業界のイメージを大きく変える写真集も発刊されていますので、ぜひ、皆さんご覧ください。

7月27日(木)、岐阜県の郡上市に伺い、岐阜県建設業協会の副会長で郡上支部の前田会長をはじめ幹部の皆さんと意見交換をさせていただきました。郡上市は、「郡上踊り」で有名で、意見交換の会場の前の広場では郡上踊りが行われていました。

7月29日(土)、兵庫県北部の豊岡市で開催された防災担当大臣・国土強靭化担当大臣の谷公一衆議院議員の「政経セミナー」に、ご地元の末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員、服部兵庫県副知事、市町長、県議・市議・町議らとともに出席し、激励のご挨拶をさせていただきました。
谷公一大臣からは、大臣として取り組んでおられる防災のお話を中心にご挨拶をいただき、その後、元行革担当大臣の稲田朋美衆議院議員から「強くて優しい国」と題して講演が行われました。

8月5日(土)、「四国三郎」と称される吉野川の上流部の高知県長岡郡本山町と土佐郡土佐町にまたがって水資源開発公団(現在の水資源機構)により建設された早明浦ダムの再生事業の起工式に出席させていただきました。
まず式典前に、ダムサイト下流で早明浦ダム再生事業の概要説明をいただきましたが、鹿児島県の直轄ダムの鶴田ダムと同様、堤体に孔をあけ、放流管を3門新設して洪水放流能力を拡大するとのことで、大林組と佐藤工業のJVが洪水吐増設工事を担当し、豊国工業と佐藤鉄工のJVが放流設備工事を、日立造船 とIHIインフラ建設のJVが上流締切工事を担当することになっています。
ご説明をいただいた水資源機構の島本経営企画部長、長田ダム事業部次長、仁子ダム事業部事業課長補佐、鈴木吉野川本部企画調整課長、溝尾早明浦ダム再生事業推進室工務設計課長に感謝申し上げます。

続いて、ダム湖畔にある、さめうら荘の近くで行われた「早明浦湖水祭」に参列し、中谷元衆議院議員、中西祐介参議院議員、梶原大介参議院議員などご地元の先生方とともに玉串奉奠をさせていただきました。
この湖水祭は、「四国のいのち」である早明浦ダム湖畔に浜田高知県知事や池田香川県知事など四国4県の皆さんが一堂に会し、水資源開発の尊い犠牲となられた方々への感謝と敬弔の意をささげるとともに、水源地域である高知県嶺北地域の方々とその恩恵を受けている下流地域の住民との交流を深めることを目的として嶺北地域の4町村が主催して実施している神事で、私が四国地方整備局長の際にも参加させていただいたことがあります。

続いて、水資源機構が主催する「早明浦ダム再生事業起工式」に出席し、金尾理事長の主催者挨拶に続いて、ご地元の中谷元衆議院議員、山口俊一衆議院議員、中西祐介参議院議員、梶原大介参議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。
続いて、濱田高知県知事、池田香川県知事、廣瀬国土交通省水管理・国土保全局長からも祝辞がありました。
また、工事施工者を代表して㈱大林組の蓮輪代表取締役社長からご挨拶がありました。地元との関わりの深い施工者の皆さんが挨拶をされることはとても重要なことで、ご配慮いただいた水資源機構の皆さんに感謝を申し上げます。
その後、鍬入れとくす玉開披を執り行い、最後に参加者全員で記念撮影を行いました。趣向を凝らした起工式で、感銘を受けました。
なお、私は四国地方整備局長、水管理・国土保全局長として長年早明浦ダムの再生に関わってまいりましたので、今回の起工式は大変感慨深いものがありました。

【会館事務所からのお知らせ】

8月1日(火)から会館事務所のメンバーに、国土交通省出身で徳島河川国道事務所長や九州地方整備局河川部長、本省水資源部水資源計画課長、経済産業省大臣官房審議官などを歴任された竹島睦(たけしま・まこと)さんが加わりました。皆さんよろしくお願いいたします。