足立としゆき夢だより【第257号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
最近、全国的に地震が頻発しています。首都圏では、11日(木)の早朝に緊急地震速報が発令され、千葉県木更津市で震度5強、東京でも最大で震度4の地震に見舞われました。石川県の能登地方では5月5日(金)の午後に震度6強の地震に見舞われています。被害にあわれたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
皆さんも、くれぐれも地震には注意していただきますようお願い申し上げます。
さて、5月11日(木)、天皇皇后両陛下主催の「春の園遊会」が、令和になって初めて、5年ぶりに都内の赤坂御苑で開催されました。
ことしの春の園遊会は、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて、招待者を絞って行われ、出席者は例年の半数程度のおよそ1000人程度で、参議院自民党では5倍を超える競争率の抽選となりましたが、何とか出席をさせていただくこととなりました。
今回は、オリンピックのメダリストなどスポーツ関係者やノーベル賞受賞の吉野彰さんなども招待され、雨の中ではありましたが、盛大に開催されました。私も、役所の先輩にたくさんお会いすることができましたし、たまたま東京オリンピックの体操の金メダリストの橋本大輝選手と言葉を交わすという貴重な経験もすることができました。嬉しい限りでした。こうした機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。
なお、石川県能登地方の地震について現地調査を行った結果について、以下に報告させていただきます。
【石川県能登地方地震の現地調査】
5月5日(金)午後2時42分、石川県能登地方を震源とする震度6強の地震がありました。これにより、家屋が被災したり、斜面崩壊により家屋が被災したりしています。
これを受けて5月9日(火)、石川県珠洲市に被災状況調査に入りました。
能登空港で石川県建設業協会の平櫻会長、山岸専務理事、地中常任理事にお迎えをいただき、珠洲市役所で建設業協会の中市副会長、珠洲建設業協会の明星会長、大濱専務理事に合流をいただき、泉谷市長、金田副市長と意見交換を行いました。また、国土交通省北陸地方整備局からTEC-FORCEとして派遣されている延べ19班、43名の皆さんの代表者から被災状況等の調査結果の市長報告が行われ、泉谷市長から感謝のお言葉をいただきました。私は、TEC-FORCEの制度の創設に国土交通省でかかわった立場ですので、その活躍ぶりを頼もしく思いました。なお、市長からは全壊家屋と半壊家屋との国の費用負担の違いについて是正するようご要望をいただきました。
また、建設業協会の皆様に対しても、市長から震災直後からの活動に対して感謝の言葉がありました。
引き続き、泉谷市長のご案内で、被害が大きかった正院地区を訪れ、地震直後に2階建ての建物の1階部分が崩れ落ちた現場や、大きな珪藻土の岩塊が崩落し、2階建て木造住宅を直撃した現場に伺いました。背後の民地から落ちてきた大きな岩塊が直撃した家屋は、珠洲建設業協会の明星会長の会社の役員さんのご自宅とのことで、一時崩れた家屋の下敷きになった方もジャッキアップで救出し、すみやかにドクターヘリで金沢まで搬送され無事だったとのことで、安心しました。
なお、このように民地内で生じた災害に対しては、私有財産であるため国として支援が難しい現状に対して、何らかの支援措置が必要ではないかとの要望をいただきました。
続いて、この日から災害廃棄物の受け入れを始めた処理施設を視察しました。
市営球場の駐車場を解放し、家具や食器、ガラス等を分別して処理がされていました。珠洲市ではもともと災害を想定して災害廃棄物の受け入れ計画を策定しており、それに基づいて対応しているだけでなく、昨年の小松市の梯川の水害の際の廃棄物処理を参考にして対応しており、また、対応している業者さんも小松で経験をした業者さんでもあることから、整然と円滑に廃棄物対応が行われていました。非常に重要な対応であると高く評価したいと思います。
次に、珠洲市真浦町の外浦の海岸沿いの国道249号の八世乃洞門新トンネル付近の通行止めの現場に伺いました。ここでは、道路沿いの斜面から、直径1m級の落石(流紋岩)があり危険なため通行止めとなっているもので、珠洲土木事務所の奥村所長から状況の説明をいただきました。
なお、今回の地震により大型連休でにぎわっていた沿道の道の駅や宿泊施設など観光施設の皆さんも大きな打撃を受けているとのことでした。
続いて、宝立町鵜飼地区の住宅の倒壊現場に伺いました。現場では、道路に倒れ掛かっている建物をバックホウで支えながら家屋の解体作業にあたっていただいている状況を見させていただきました。
なお、近くの観光名所の天然記念物「見附島」も訪れましたが、島の岩壁が地震により崩壊し、島の両側に崩落した土砂が溜まっていました。実は私は、46年前にこの地を観光で訪れたことがありましたが、島の姿はずいぶん痩せ細った印象でした。観光への影響が懸念されます。
なお、現地ではここのところ毎朝震度4程度の地震が発生しています。私が現地調査中にも震度2程度の地震が発生しました。5月6日に開催された政府の専門家会議(地震調査委員会)では、当分の間注意が必要とされています。引き続き、地震への万全の備えをしながら復旧活動をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
なお、現地調査の結果、感じたところをまとめてみましたので、ご参考にしていただければと思います。その内容は以下の通りです。
① 被害は極めて局所的で、建物被害も珠洲市の正院町、宝立町に集中していた。全壊は9棟、半壊9棟、一部破損452棟と石川県から発表されている。なお、現在のところ公営住宅や空き家を活用することで被災者対応が可能と見込んでおり、仮設住宅の建設までは必要がないとの市長の見解であった。
② 道路等の交通インフラについて被害は限定的である。海岸沿いを走る国道249号については、落石の懸念があるため通行止めの措置がとられているが、半島中央を縦貫する珠洲道路は、地域高規格の候補路線でもあり整備水準も高く通行は確保されていた。その他道路等の交通インフラについても被害は限定的であった。
③ 水道、電気などのライフラインについては、早期に復旧されており大きな問題を生じていない。
④ 国土交通省北陸地方整備局は、被災直後からリエゾンを県、珠洲市、能登町に計6名派遣。TEC-FORCEも5月7日時点で28人を派遣中。道路、橋梁の砂防施設等の被災状況調査、建物の応急危険度判定等を実施中。北陸地方整備局の迅速な対応を高く評価したい。
⑤ 災害廃棄物については、5月9日から市営球場の駐車場を活用して分別して受け入れを始めた。珠洲市では、もともと災害を想定して受け入れ計画を策定している。さらに、昨年の小松市の梯川の水害も参考にして対応しており、また、対応している業者も小松で経験した業者でもあることから整然と廃棄物対応が行われていた。重要な対応と評価したい。
⑥ 珠洲市の恋路海岸の見附島(軍艦島)が、地震に伴う岩壁の崩壊によりかなり痩せ細ってきている。こうしたことをはじめ観光への影響が懸念される。
以上が能登半島の地震の現地調査結果です。
その他、最近の動向は次の通りです。
【国会の動き】
知床の遊覧船事故から4月23日(日)で1年が経過しました。この事故では、26名の方々が亡くなり、あるいは行方不明になっていますが、その再発を防止するための「海上運送法等の一部を改正する法律案」の質疑が4月27日(木)、参議院国土交通委員会で行われ、全会一致で可決し、翌28日(金)の参議院本会議で賛成多数で可決・成立させることができました。
その他、本会議や国土交通委員会などに出席しました。
【自民党の動き】
4月23日(日)投開票の統一地方選挙の衆・参5つの補欠選挙につきましては、我々にとりまして4勝1敗というまずまずの結果でしたが、4月27日(水)の参議院自民党の議員総会で、千葉、山口、大分のご地元の先生方からそれぞれご報告がありました。
5月11日(木)、日建連の宮本会長、押味副会長が、遠藤利明自民党総務会長、林幹雄自民党国土強靭化推進本部本部長代行をはじめ自民党の幹部の皆さんに、国土強靱化についての申し入れを行いました。内容としては、現行の5ヵ年加速化対策に代わる中長期的な実施計画を法定計画とすること、各事業の整備スケジュールや事業費を明示するなどした中長期的な実施計画を策定するとともに、現行以上の予算額を確保すること、などです。私も、佐藤信秋参議院議員とともに同行させていただきました。
その他、参議院自民党の議員総会や執行部会、国会対策委員会の全体会議や正副委員長会議、参議院自民党政策審議会の勉強会、不安に寄り添う政治のあり方勉強会、責任ある積極財政を推進する議員連盟の勉強会、国土交通部会、下水道・浄化槽対策特別委員会、道路標識等議員懇談会、宏池会の例会などに出席しました。
【都内の動き】
4月25日(火)、「第1回播磨臨海地域カーボンニュートラル推進勉強会」が、渡海紀三郎衆議院議員、松本剛明衆議院議員、末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員の呼びかけで開催され、私も自民党兵庫県連の一員として出席してご挨拶をさせていただきました。
地元からは、齋藤兵庫県知事、清元姫路市長、岡田加古川市長、都倉高砂市長にご出席をいただきました。清元姫路市長は23日投開票の市長選挙でご当選されたばかりでしたので、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
なお、勉強会に先立ち西村康稔経済産業大臣に皆様と共に要望活動に伺いました。
4月25日(火)、「建設コンサルタンツ協会関東支部」の第55回定時支部総会後の懇親会に出席し、新任の大本支部長のご挨拶のあと、佐藤信秋参議院議員とともにご挨拶をさせていただきました。4年ぶりの懇親会を、皆さん楽しんでおられました。
4月26日(水)、脇雅史元参議院議員が会長を務め、陣内孝雄元参議院議員が最高顧問を務める全国水防管理団体連合会が主催する「全国水防大会」に出席し、ご紹介をいただきました。
大会では、谷公一防災担当大臣、清水国土交通省政務官等からご挨拶があり、続いて脇会長から水防功労者表彰が行われ、次に青森県の相川鶴田町長から意見発表があり、最後に大会決議が採択されました。
4月27日(木)、都内で開催された「日本建設業連合会懇親パーティ」において、日建連の宮本会長のご挨拶に続いて斉藤鉄夫国土交通大臣、茂木敏充自民党幹事長、西村明宏環境大臣、岡田直樹特命担当大臣、山口那津男公明党代表、加藤勝信厚生労働大臣などそうそうたるメンバーからご挨拶があり、私も与党の衆参国会議員の先生方とともにご紹介をいただきました。
4年振りの立食パーティ形式での開催に、大いに盛り上がり大盛会でした。
4月27日(木)、議員会館の事務所に和歌山県建設業協会の青年部、和歌山有田建有会の江川会長はじめ会員の皆さんが来所され、意見交換をさせていただきました。なお、前日に二階派の派閥のパーティがあったため和歌山県関係者がたくさん上京されており、日高町建設業協同組合の皆さんや日高川建設業協同組合の皆さんをはじめ多くの和歌山県関係者にお立ち寄りいただきましたが、私自身は本会議、国土交通委員会等に出席しており、お会いできず申し訳ありませんでした。これに懲りず、ぜひ、次回もお立ち寄りいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
5月10日(水)、脇雅史元参議院議員が会長の全国防災協会の理事会に出席し、石川県能登半島の地震災害について、現地調査の結果を報告させていただきました。
その他、4月25日(月)に後援会の有志の皆様の集まりである「建志会」、5月8日(月)に京都大学の土木分野の有志の集まりである「五月会」、5月10日(水)に関東建設協会の定例総会後の懇親会などに出席しました。
【地方の動き】
4月24日(月)、横浜市の日本初の地上11階建て純木造高層耐火建築物である大林組の次世代研修施設「Port Plus(ポートプラス)」に伺いました。
「Port Plus」は、神奈川県庁近くの街中にある木造の高層ビルで、通りから見上げる外観は、 ダブルスキンカーテンウォールの中に柱・梁が整然と配置されており、周囲のビルとは全く異なり木造を主張したファザード(正面のデザイン)となっています。
現地では、大林組土木本部の杉山副本部長、吉﨑副本部長、藤田顧問、光森課長に合流いただき、建築設計を担当された堀池設計本部担当部長に内部を丁寧にご案内いただきました。
「Port Plus」は、ラーメン構造で地上11階建ての純木造高層耐火建築物で、既存建築の基礎を活かし、建物の構造部材の柱・梁・床・壁・屋根などがすべて木材で構成されています。木材を利用することでCO2排出量の削減や環境に配慮した施工がなされており、耐火性能を確保するために開発した「オメガウッド」や耐震性を確保するため木の柱梁を剛接合する「剛接合仕口ユニット」を新たに開発するなど最先端の新技術が採用されています。
建物の内部は、研修施設、宿泊室のみならず、木を活かし五感を活性化する空間や開放感あふれる無柱空間等木の特性を活かしたしつらえとなっており、木造建築の新たな可能性を感じる施設となっていました。
とてもいい勉強になりました。ご案内いただいた皆さん、ありがとうございました。
4月28日(金)、熊本市に伺い、「熊本県測量設計コンサルタンツ協会 第51回通常総会懇親会」に出席しました。春の褒章で黄綬褒章を受賞された藤本会長のご挨拶に続いて、熊本県選出の木原稔衆議院議員、松村祥史参議院議員、馬場成志参議院議員、前川自民党熊本県連会長、三保木国土交通省熊本河川国道事務所長、亀崎熊本県土木部長等とともにご挨拶をさせていただくとともに、久しぶりに会員の皆様や熊本県内の国土交通省各事務所長、熊本県、熊本市の土木関係の皆様と親しく懇談させていただきました。
また、馬場成志参議院議員にご紹介いただき、「日本造園建設業協会熊本県支部」の懇親会に伺い、吉村支部長、全国協会の前副会長の木上さんをはじめとする幹部の皆様のご配慮でご挨拶させていただきました。
さらに、熊本県建設業協会の土井会長、岩本副会長、俵さんにもご挨拶をさせていただき、意見交換をさせていただきました。
なお、熊本空港には熊本県測量設計協会の藤本会長の息子さんにお迎えをいただきました。ありがとうございました。
翌29日(土)、熊本県には、アーチ式の石橋が約320基あり、そのうち緑川流域に80基あると言われており、そのうち二俣橋(ふたまたばし)、二俣二橋(ふたまたにきょう)、霊台橋(れいだいきょう) 、通潤橋(つうじゅんきょう)の視察を行いました。
緑川の急な流れや深い渓谷などの地形的特徴や、加工しやすい岩が多かったことが、この地域に石橋が多くかけられた大きな要因と言われ、「肥後の石工」として全国に名を馳せた八代市東陽町に居住していた「種山石工」がそのほとんどの建設に携わったと聞きます。
なお、二俣二橋(ふたまたにきょう)を訪れた際に、奥側の年祢橋で石橋を補修工事中のご地元の菊池組の皆さんにたまたまお会いし、お話を伺う事が出来ました。現場にはネパールからの技能実習生の皆さん3名もいらっしゃいました。菊池組の菊池武社長は建設業協会宇城支部長で日頃から大変お世話になっています。
また、通潤橋では観光の目玉ともなっている「放水」を見させていただきました。
通潤橋は、日頃から水不足で困っていた対岸の高台に水を引くことを目的として、アーチ型の石橋の中に、岩をくり抜いて穴をあけた真四角の岩をつないで管路をつくり、逆サイフォンの原理で水を引く、同時に橋の上は人馬が通る、こういう考え方で水路橋を建設したもので、1854年に完成しています。
土砂による水路の目づまりを防ぐため、管路の左右で3カ所穴を開け、普段はそこに楔を打ちこんだ木栓をはめておき、水がいらなくなった秋に栓を抜き、管路の水を落とすと、水圧で中に溜まった土砂を流し出す、これが現在観光客を集める「放水」です。
なお、通潤橋は長さが76m、高さが20mで、国の重要文化財に指定されています。
【建設分野のトピックス】
5月は水防月間です。
国土交通省は毎年5月(北海道は6月)を水防月間と設定し、梅雨や台風の時期を前に、地域における水防資機材の点検や水防団体の皆様による訓練をはじめ、全国9カ所、各地域の代表的な河川等において総合水防演習を実施し、国や都道府県、水防管理団体(市町村等)が連携した水防活動の実施や、避難・情報伝達・救出・救護等を組み合せた実践的な訓練を通じ、住民お一人一人に水防の意義や重要性を再認識いただく機会としています。
水防演習の実施に当たっては、建設業の皆様には大型土のうやブロック等の機材を用いた堤防防御訓練の実演、測量設計業の皆様にはドローンを用いた被災状況の調査、設備関連の企業の皆様にはインフラの点検・復旧等の訓練、トラック協会の皆さまには応急物資の輸送等のご協力をいただいています。水防演習がより実践的となり、また、住民の皆様にとって地域の建設関連産業の担う役割がしっかりと伝わる機会ともなっておりますので、皆様にはぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo04_hh_000206.html