足立としゆき夢だより【第173号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
3月21日(日)、首都圏の1都3県に出されていた新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除となりました。感染者数は一時に比べ減少してきてはいますが、最近は下げ止まりの傾向を見せており、リバウンドの懸念も指摘されています。今後とも引き続き緊張感を持って、政府を上げて感染拡大防止に取り組んでいただきたいと思います。
さて、3月22日(月)、参議院国土交通委員会において令和3年度予算の委嘱審査が行われ、自民党を代表して質疑に立たせていただきました。
質問内容としては、新型コロナウイルスが建設産業に与える影響、公共事業予算の拡充、建設産業再生のための施策等で、赤羽一嘉国土交通大臣からは「建設業界がなくては国土を守れない。若い世代が誇りを持って建設業界に入職していただくことは大変大事なこと。」との答弁をいただきました。
国土交通委員会での具体的なやりとりは以下の通りです。
〇新型コロナウイルスが建設産業に与える影響について
新型コロナウイルスの影響で建設工事や調査・設計業務がどのような影響を受けているか質問したところ、
岩井茂樹副大臣から、「国土交通省の直轄工事や設計・調査業務では、緊急事態宣言中の3月18日の時点での一時中止は、工事では全体約8,000件のうち12件、全体の約0.2%であるほか、調査・設計業務では全体約10,000件のうち32件、全体の約0.3%であり、その影響は極めて小さい。」とお答えをいただきました。安心しました。
○公共事業予算の拡充について
5か年加速化対策への取り組みについて質問したところ、
朝日健太郎国土交通大臣政務官から「国土交通省では、おおむね9.4兆円程度をめどとし、あらゆる関係者が協働して行う流域治水対策、道路ネットワークの機能強化対策、鉄道・港湾等の耐災害性強化対策、予防保全型のメンテナンスへの転換に向け早期の対応が必要な施設へ集中的な老朽化対策、さらには、国土強靱化を効率的に進めるため、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーションへの対策など、53の対策を重点的にかつ集中的に実施をしてまいります。」との答弁がありました。
また、財政状況の厳しい自治体への支援措置について総務省に質問したところ、「これまでの国土強靱化のための3か年緊急対策に伴う地方負担につきましては、国土強靱化債を創設し、充当率を100%、その元利償還金の50%につきまして交付税措置を行うという手厚い措置を講じてきました。
この度の5か年加速化対策に伴う地方負担につきましても、国土強靱化債等により、同様の手厚い措置を講ずることとしたところです。」との答弁をいただきました。
市町村の皆様には、安心して加速化対策を進めるようお願いいたします。
○市町村の円滑な執行に向けた取り組みについて
発注体制の脆弱な市町村などの発注について質問したところ、
「国土交通省においては、これまでも市場の実態を反映した適切な予定価格の設定、ダンピング対策の強化、適切な工期設定、施工時期の平準化などの措置を講ずるよう、総務省とも連携しながら地方公共団体に対して要請してきたところですが、
5か年加速化対策等が始まることを受け、施工確保対策を強化するために、本年1月に、建設業団体との緊密な連携につきまして地方公共団体に対しまして要請を行い、受注者側の受注体制、これを共有すること、そして、さらには入札制度の改善、検討などを進めていただいているところです。」とお答えいただきました。
〇土木を学ぶ学生の減少について
建設産業の高齢化について、「建設分野、特に建設技能者について見ますと、60歳以上が26%と約1/4を占めております。10年後にはそのほとんどが引退するというふうに見込まれます。
一方、29歳以下の若者は全体の11.6%となっておりまして、先行きが心配され、このままでは建設業は決して未来のある産業とは言えないような状況にあると思いますし、改善が必要だというふうに思います。」とお答えをいただきました。
このような状況を踏まえ土木分野の学生の減少について文部科学省に質問したところ、「学校基本調査によりますと、平成23年度から令和2年度の10年間で、大学の土木建築工学分野の学科の学生数は約2,900人、高等専門学校の土木建築工学科などの学科で学ぶ学生数は約1,700人減少しております。」との答弁をいただきました。
土木の学生の減少は建設分野にとって深刻な課題ですので、引き続き検討を求めました。
〇建設産業の高齢化と若手人材の確保について
建設業に入職してくる若手を増やすため、給与のアップと週休2日の推進などの処遇改善が必要と国土交通省に質問したところ、
給与アップについては「今後担い手を確保していくためには、引き続き建設技能者の賃金を引き上げることが重要であり、賃金の引上げが労務単価の上昇を通じて適正利潤の確保、そしてまた更なる賃金の引上げにつながるものと考えております。」と答弁をいただきました。
一方、週休2日については、「新担い手三法に基づきまして、工期の適正化、施工時期の平準化の推進など、週休2日の確保に向けまして働き方改革を進めております。
さらに、直轄土木工事におきましては、原則週休2日対象工事として発注するとともに、週休2日の確保に必要な経費の補正を行っており、地方自治体に対してもこのような取組の周知、啓発に努めているところであります。」との答えをいただきました。
なお、私から今回の設計労務単価の設定に関し、「設計労務単価について、今回1.2%アップとなりましたけれども、実はその実態調査では、新型コロナの影響かどうか分かりませんけれども、42%の項目で給与の減があったというお話がありました。
その分は据置きの措置を講じて設計労務単価の設定がされたために、全体的にアップとなりましたけれども、逆に言いますと、実態調査の結果では42%の項目で給料が下がっていたと言えると思いますので、何とか悪循環になっていかないようにするために、今回の労務単価のアップに見合う給与アップ、これを建設分野の経営者の皆様にしっかりお願いをしたいと思っております。」と申し上げました。ぜひとも、よろしくお願いいたします。
〇建設産業の持続的発展に向けて
建設業が若者に志していただけるような未来のある基幹産業として発展していくために赤羽大臣のご決意を伺い、
「災害時、必ず地域の建設業界の皆さんが真っ先に地域の守り手として不眠不休の闘いをしていただいているというのが実態でありますし、土砂災害においても、また大雪の除雪対策についても、そのスキルというのも大変な伝統と伝承によって確立されていると、私は毎回感心もし、感謝もしているわけでございます。
くしの歯作戦もそうでありますが、こうした業界がなくては国土を守れないということ、その成功事例みたいなことはしっかりと周知徹底しながら、若い世代が誇りを持って、国土を形成するこの建設業界に入職者を増やすこと、
また人材を育てることが大変重要なことだと思っておりますので、そうしたことも踏まえて、先ほど局長から働き方改革について総括的なお話もございましたし、建設キャリアアップシステムはその第一歩として必ず成功させるように取り組んでいきたいと決意をしているところでございます。」との力強いご答弁をいただきました。
その他、最近の動向は次のとおりです。
【国会の動き】
3月11日(木)、東日本大震災十周年追悼式が国立劇場で行われました。私は残念ですが三密対策のため、参議院議員会館の講堂で中継映像を見る形で参加させていただきました。
その他、22日(月)に国土交通委員会で質疑に立ったほか、参議院本会議、国土交通委員会、災害対策特別委員会が開催され、出席しました。
【自民党の動き】
自由民主党の機関誌「自由民主」の3月16日号の巻頭コラム「我思う」に『東日本大震災から10年』と題して、本年2月13日に東北地方で発生した震度6強の地震に対して、東日本大震災から進めてきた耐震対策の効果が現れてきていることをご紹介しました。その内容は以下のとおりです。
「東日本大震災から10年」
2月13日、東北地方で震度6強の地震が発生した。この地震により1名の方が亡くなり、家屋被害も数多く確認された。被災された皆さまに心からお悔やみと、お見舞いを申し上げる。また、コロナ禍の中、対応された関係者の皆さまに心から感謝を申し上げる。
インフラの被害をみると、東北新幹線は東日本大震災の際には120カ所あった高架橋部の甚大な被害が今回は発生せず、東日本大震災で800カ所を超えた電柱の折損が今回は対策が未実施であった20か所にとどまった。運休期間も49日から10日に減少した。
高速道路については、復興道路として整備してきた常磐道が法面崩壊により通行止めとなったことは残念だが、東日本大震災の際には346カ所発生した土砂災害がほとんど発生せず、橋梁部や高架橋部などの損傷も軽微であった。
東日本大震災から10年、地震の規模の違いはあるにしても、地道に進めてきた耐震対策によって被害をかなり限定的に抑えることができたと考えている。
その他、経済成長戦略本部、国土交通部会・国防部会・安全保障調査会合同会議、所有者不明土地等に関する特別委員会、水の未来戦略特命委員会、規制改革等に関するPT、参議院自民党の執行部会、政策審議会の勉強会、国会対策委員会の全体会議及び正副委員長会議、日本建設職人社会振興議員連盟職人基本計画見直し検討会、新名神高速道路建設促進議員連盟、測量設計議員連盟4PT合同中間報告会、宏池会の定例会などに、直接あるいはWEBで出席しました。
【その他の動き】
3月20日(土)、岩手県洋野町で開催された三陸沿岸道路開通式(侍浜IC~洋野種市IC)に出席し、ご挨拶とテープカットをさせていただきました。なお、帰京の途中に宮城県沖の最大震度5強の地震が発生し、岩手県一ノ関駅付近で長時間足止めとなり、自宅に帰り着いたのは翌朝になってしまいました。
なお、21日(日)に愛知県豊田市で開催された矢作川鵜の首地区水位低下対策事業着工式にも参加させて頂く予定でしたが、残念ですがあきらめざるを得ませんでした。関係者の皆様には大変申し訳ありませんでした。
その他、全日本トラック事業政治連盟の春季懇談会でご挨拶をさせて頂くとともに、海岸協会理事会の会合に参加させて頂きました。また、日本機械土工協会理事会、京都府建設業協会理事会、北海道建設業協会理事会の会合にWEBで参加し、ご挨拶をさせていただきました。
【建設分野のトピックス】
3月19日、国土交通省は、道路除雪費を道府県、政令市、市町村に国費380億円追加配分することを決定しました。これは、昨年12月から日本海側を中心に短期間の集中的降雪が相次ぎ、道路除雪費が不足する自治体が多くなったためで、新潟県95億20百万円、北海道70億68百万円、秋田県の38億25百万円などが配分されました。
今年の除雪費支援としては、当初予算、2月12日の追加配分に続き、第3弾の支援となり、今回の追加配分額は過去最大となります。また、同日付で総務省から過去最大の除排雪経費の特別交付税680億円も措置されていますので、ご承知おきください。
詳しくは国土交通省及び総務省のホームページで紹介されていますのでご覧下さい。
(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001391511.pdf)
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000738961.pdf)