足立としゆき夢だより【第130号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
8月後半、日本付近に停滞した前線により、全国各地で豪雨災害が発生しました。皆さんの地域はいかがだったでしょうか?
特に8月27日(火)頃から、前線の活動が活発化し、九州北部で猛烈な雨が降り、28日(水)には佐賀、福岡、長崎の各県に大雨特別警報が発表されました。
この雨により、佐賀県の六角川流域や松浦川流域などで堤防からの越水が生じ、大きな被害を発生しました。
このため、8月30日(金) に自民党の「災害対策特別委員会」が開催され、二階俊博幹事長やご地元の今村雅弘委員長をはじめ衆参国会議員の先生方とともに出席し、豪雨災害の被害状況及び政府の対応状況について報告を受けました。
今回大きな被害をや発生した六角川は、私が河川計画課長時代に河川整備基本方針の策定を担当した一級河川であり、破堤には至りませんでしたが越水や内水で大きな浸水被害を受けており、心を痛めています。
こうした状況を受けて、9月1日(日)に急遽佐賀県を訪れ、被災現場を視察いたしました。
まず、訪れたのが一級河川嘉瀬川の直轄区間の堤防損傷箇所です。すでに迅速に応急復旧がなされてました。
続いて、一級河川六角川の支川牛津川の牟田辺遊水池に伺い、遊水池として大きな効果を発揮した状況を確認しました。
なお、随所で国土交通省のTEC-FORCEの皆さんが全国から駆けつけ、緊急調査などで活躍しているのを見させていただきました。心から感謝を申し上げます。
続いて、鉄工所からの油流出の被害を受けた大町町に伺いました。
浸水被害を受けた順天堂病院はすでに平常の状況のように見えました。
しかし、鉄工所下流部には油の痕跡が随所に残っており、まだまだ大変な状況でした。
現地にはボランティアの皆さんが入りはじめ、後片付けなどに汗を流しておられました。
油の除去では、自衛隊の皆さんが人海戦術で頑張っておられましたが、建設業の皆さんも多数駆けつけて頑張っておられました。ぜひともこうした活動にも、マスコミの皆さんに光を当てていただきたいものです。よろしくお願いいたします。
ご案内は佐賀県建設業協会小城支部の下村会長や岡本建設社長、杵島支部の山崎会長や佐賀県建設業協会の中島専務をはじめ副会長、各支部の支部長の皆さんに対応いただきました。お忙しい中、ありがとうございました。
なお、国土交通省から佐賀県の現地対策本部に派遣されている溝口水資源部長にも大町町の現場でお会いし、現地の状況について詳しく教えていただきました。感謝申し上げます。
その他、最近の動向をご紹介いたします。
【台湾訪問】
8月27日(火) から4日間、3年前の参議院選挙で当選した同期の有志9人で、昨年8月に引き続き台湾を訪問しました。
まず初日は、羽田空港から台北市の松山空港に移動し、財団法人の「国防安全研究院」に伺い、林正義執行長など幹部の皆さんと日台両国の安全保障環境などについて意見交換を行いました。
続いて、我が国の経済産業省にあたる「経済部」に伺い、王美花次長と、台湾の経済発展の状況や両国の経済事情などについて意見交換を行いました。
日本側からは、青山繁晴議員が福島の原発事故を理由に農作物の輸入制限を行っていることに対して意見を申し入れられました。私も同感で、ぜひ検討していただきたいと思います。
翌28日(水) 、台北から台湾南部の嘉義まで、新幹線で移動しました。台湾の新幹線は、日本の技術と企業を活用して運行されており、東海道新幹線の700系の車両がベースとなっていることから、全く日本の新幹線と乗り心地が変わりませんでした。
続いて、新幹線の嘉義駅から高速道路で30分ぐらいのところにある烏山頭(うさんとう)ダムに伺いました。私にとっては、昨年の8月以来2度目の訪問です。
烏山頭ダムは、1930年に完成した高さが56mのセミ・ハイドロリックフィル工法という最近では聞かなくなった工法で建設されたアースダムです。八田與一さんという東京帝国大学の土木出身で、台湾総督府の土木課の技術者として勤務したダム分野の大先輩が中心となって建設した、貯水容量が1億5千万㎥の灌漑や発電を目的とした大ダムです。
八田さんは、その後戦争中に亡くなりましたが、台湾の皆さんからはその功績が高く評価されています。我々も、ダムの近くにある八田さんの銅像に足を運び、その業績をしのび献花をいたしました。
今回、同僚議員の皆さんに八田さんの功績などを知っていただけたことは、ダム技術者の私にとりましても、またインフラ整備の大切さを知っていただく上でも大変良かったと思います。
続いて、高速道路で台南市に伺い、黄偉哲市長を表敬訪問し、意見交換をしました。
台南市は人口が189万人の大都市です。日本との交流も非常に活発で、各県・市町村から贈られた数々の特産品が展示室を設けて紹介されていました。
意見交換の場に出席された元練馬区議の野崎さんは、現在、台南市の外交顧問として活躍されており、日本との関わりの深さを改めて強く感じました。
なお、台南市内には、第2次世界大戦中、台南市付近で米軍に襲撃された日本の戦闘機を、集落部に墜落しないよう頑張って誘導した操縦士の杉浦兵曹長が、結果的には戦死されましたが集落を守った恩人ということで、「飛虎将軍」と呼ばれ、きらびやかな廟にお祀りいただいていました。私どももお参りをさせていただきましたが、ありがたい限りです。
29日(木) 、南部の高雄市の高雄港を視察しました。
高雄市は人口277万人のきれいな大都市で、旧市街は港町の情緒あふれる風情です。
高雄港を管理する台湾港務株式会社高雄支局で張雅富研究員から説明を受けた後、船で広大な港湾を見させていただきました。高雄港のコンテナ取扱量は、京浜港の2倍の1000万TEU(20フィートコンテナ換算で貨物取扱数などを示す単位)と巨大で、2018年には世界16位です。
高雄港はもともとラグーンの地形を活かして湾内に発達しましたが、現在は外港にも巨大なコンテナターミナルを整備しています。
国際競争を勝ち抜くためにも、日本の港湾もしっかり整備を進めて行かなければならないと、改めて痛感しました。
高雄港視察の後、高雄空港からプロペラ機で、中国大陸に直近の金門島に伺いました。
着陸前に、中国大陸の廈門(あもい)市の高層ビル群が見えましたので驚きました。金門島から最も近い大陸側の島までは2kmちょっとです。
金門島では、第2次世界大戦後、中華人民共和国と中華民国との間で激しい戦闘が繰り広げられましたが、中華民国側が守り切って、今日に至っています。
我々は、地下トンネルの船艇発着基地「翟山坑道」、大陸との闘いのシンボルで廈門市街が見える「莒光楼」、大陸から撃ち込まれた大量の砲弾を包丁などにリメイクしているマエストロ・呉さんの製作所「金合理鋼刀」などを視察しました。
金門島は、今でこそ、観光地として注目されていますが、大陸との近さと緊張感を強く感じました。
【国会関係】
8月15日(木)、武道館で天皇皇后両陛下ご臨席のもと、「全国戦没者追悼式」が開催されました。
安倍晋三総理をはじめ閣僚の方々、与野党の代表の皆さん、衆参国会議員、各都道府県の代表の皆さんなどたくさんの方々とともに、出席をさせていただきました。
【自民党関係】
8月19日(月)、参議院自民党の日・ハワイ友好議連の一員として、ホノルルの総領事公邸で開催された日本側主催のレセプションに参加いたしました。
伊藤総領事の開会の挨拶のあと、議連会長の松山政司先生からご挨拶があり、その中で宮澤洋一先生、大家敏志先生、堀井巌先生とともにご紹介をいただきました。
続いて、ナカシマ議長代理の挨拶のあと、アリヨシ元知事から乾杯のご発声があり、和やかな会が始まりました。
私がハワイに伺うのは、2017年2月に愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸の犠牲者の十七回忌法要に参加して以来、2度目です。
26日(月)、環境部会に出席しました。令和二年度予算概算要求が議題でしたが、私から地球温暖化に伴う影響評価について、気候変動適応法に基づきできるだけ早く取りまとめ公表するよう求めました。
【都内の催し】
8月22日(木) 、東京大学名誉教授の藤野陽三先生の「日本学士院賞受賞祝賀会」が土木学会講堂で開催され、たくさんの先輩方がご出席の中、ご挨拶をさせていただきました。
藤野先生には、国土交通省の水管理・国土保全局長時代、笹子トンネル事故などインフラの老朽化対応にご指導いただいた他、土木学会100周年記念式典などでも大変お世話になりました。ありがとうございました。
30日(金)、私が平成27年1月から半年間勤務させていただきました建設物価調査会の創立72周年記念祝賀会に出席し、北橋理事長に続いて、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
なお、それに先立ち、私が在職時に始まった建設業での女性活躍を支援するプロジェクト「チームひまわり」の皆さんと意見交換を行いました。
「チームひまわり」の皆さんは、建設業で活躍する全国の女性の方々の活動状況や、女性用のパウダールームやウェアなど女性のための設備・装備、女性が活躍できるための環境づくりなどについて取材し、赤本と呼ばれる「建設物価」に4年にわたり特集記事として紹介しています。建設業で活躍する女性の姿を知ることができる素晴らしい企画だと思います。
意見交換の場でお話を聞かせていただき、「チームひまわり」の皆さんそれぞれが、若いにもかかわらず、しっかりした考えでこの活動に取り組んでおられることがわかり、逆に勉強させられましたし、頭が下がる思いでした。ありがとうございました。
【地方の催し】
8月10日(土)、兵庫県豊岡市で開催された「北近畿豊岡自動車道・山陰近畿自動車道早期実現促進大会」に、谷公一衆議院議員、末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員、荒木兵庫県副知事、道路局担当の野田審議官、近畿地方整備局の井上局長等とともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。会場には1000人を超える皆さんが集まり、地域が熱望している高速道路の早期整備に向け、大いに盛り上がりました。
大会に先立ち、兵庫県の荒木副知事や中貝豊岡市長など地元の首長さんが参加して要望会・意見交換会が行われ、谷公一衆議院議員、末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員とともにコメントをさせていただきました。
大会終了後には、建設業但馬地区協議会の川嶋会長、中川副会長、株本副会長など但馬3支部の幹部の皆さんと、近畿地方整備局の植田道路部長、豊岡河川国道事務所の中川所長との意見交換会が行われました。私も谷公一衆議院議員とともに出席し、建設業の生産性向上や週休2日に向けた取り組みについて活発な意見交換を行いました。
11日(日)、和歌山市で和歌山県立桐蔭高等学校の第25期(昭和48年卒業)の同窓会が開催されました。
5年前の還暦同窓会以来でしたが、540名の同級生のうち160名が集まり、昔話に花を咲かせ、大いに盛り上がりました。幹事の皆さん、ありがとうございました。
15日(木)、神奈川県清川村で「第36回宮ヶ瀬ふるさとまつり」が開催され、あいにくの雨の中ではありましたが、盛大に恒例の花火大会が開催されました。
私が宮ヶ瀬ダム工事事務所長を務めていた25年前にすでに始まっていましたが、かなり洗練され素晴らしい花火大会となっており、感激しました。
岩沢清川村長をはじめ近隣の首長さん、地元の国会・県議会・市町村議会などの議員の皆さん、神奈川県内広域水道企業団の黒川理事長、宮ヶ瀬ダム周辺振興財団の和田理事長など関係の方々がたくさん出席されました。また、当時からお世話になっているダムによって移転をされた落合圏二さんや川瀬正行さんなど地元の皆さん、事務所OBの西田さんや上野さんも参加され、昔話に花を咲かせました。
24日(土) 、全国建設業協会元副会長の伊藤孝さんの「旭日小綬章受章記念祝賀会」が静岡県浜松市で開催され、佐藤信秋参議院議員や全国建設業協会の近藤会長らとともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
伊藤さんは、私が中部地方整備局長の際に静岡県建設業協会を務めておられ、大変お世話になりました。引き続きご健勝でご指導いただきますようお願い申し上げます。
8月31日(土) 、国土交通省の大先輩である近畿建設協会の霜上民生理事長の「瑞宝中綬章受章祝賀会」が、大阪市内で開催されました。
京都大学名誉教授の井上和也先生、池淵周一先生、大西有三先生、淡水生物研究所の森下郁子先生、京都大学教授の藤井聡先生をはじめ、霜上先輩のご出身の京都大学の関係者、国土交通省のOBの皆さん、近畿建設協会の皆さんなど200名近い方々が参加され、大変和やかに会が執り行われました。
私も、霜上先輩には公私にわたり大変お世話になりましたので、僭越ながら先輩方とともにお祝いのご挨拶をさせていただきました。誠におめでとうございました。
【建設分野のトピックス】
8月28日(水)、国土交通省は2020年度予算の概算要求を発表しました。
一般会計の国費総額は前年度(臨時・特別の措置を除く通常分)と比べ18・4%増の7兆0101億円。うち公共事業関係費は19・4%増の6兆2699億円と、15年度分から6年連続で6兆円を超える要求になりました。地方自治体向けの防災・安全交付金には1兆2611億円(21・2%増)を計上し、防災・減災、国土強靱化3カ年緊急対策などで構成する臨時・特別の措置は必要な規模を確保し予算編成時に明らかにすることとなっています。
インフラに関する課題に対して後押しする要求になっており、今後とも公共事業予算が安定的・持続的に確保できるようしっかり取り組んで行きたいと思います。
同じく8月28日(水)に「公共工事品質確保に関する議員連盟総会」が開催されました。私は、残念ながら台湾出張のため出席できませんでしたが、先の国会で成立した改正公共工事品質確保法の基本方針、適正化指針、品確法の運用指針の改正案などの策定に向けてのスケジュールが議論されました。
今後、関係団体等の皆さんのご意見をいただきつつ、適正な運用となるよう発注者側にもブロック会議等により徹底しながら取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。