足立としゆき夢だより【第139号】をお届けします
皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。
昨年中は皆様に大変お世話になりまして、ありがとうございました。
本年もどうかよろしくお願いいたします。
さて昨年も、平成29年の九州北部豪雨、平成30年の西日本豪雨に続き、台風19号等により東日本を中心に未曾有の大災害が発生しました。
こうした異次元ともいうべき大災害の発生状況を考えると、地球温暖化の進展に伴う気候の変化が大変深刻な状況になっていると考えざるを得ません。
このため、予想される水害・土砂災害に対して事前防災に重心を置いた災害予防対策の充実強化を図るとともに、道路や港湾・空港・鉄道等の交通ネットワークの整備や都市整備・まちづくりを通じて国土の強靭化を着実に推進していく必要があると考えます。
また、国土交通省で一緒に勤務した仲間とともに昨年11月に出版させていただきました「荒廃する日本」でも述べさせていただいたとおり、我が国のインフラは概成する前に老朽化が始まっており、海外に比べて遅れてしまっているインフラの整備水準を何とか海外並みにしていくことが求められます。
今後改めて社会全体で公共投資の重要性を再認識し、インフラ整備の再スタートを切る必要があると考えます。
一方、長年の公共投資の削減により疲弊してきた建設産業の再生も引き続き進めていかねばならない重要な課題であると考えています。
このため、建設関連産業の分野において大切な「量の確保」と「質の確保」を進めて行く必要があると考えます。
前回の夢だよりでもご紹介したとおり、「量の確保」、すなわち公共事業予算の確保につきましては、12月5日に閣議決定した経済対策に大型の補正予算が盛り込まれ、1.6兆円規模の公共事業予算の追加が見込まれることとなり、当初予算の6兆円からすると緊急対策の約1兆円を含め4割以上の増額が見込まれることになりました。
1月20日(月)からとも言われている通常国会の冒頭で補正予算案を成立させ、早期に実施に移して行きたいと考えておりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
なお、トラック輸送分野の皆様が期待しておられる高速道路料金の大口多頻度割引も、この補正予算に盛り込まれておりますので、ご期待願います。
一方、「質の確保」ですが、昨年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の一部改正を行いましたが、それを受けて法律の施行にあたりその趣旨を徹底するための運用指針の取りまとめ作業が、国土交通省において進められています。こちらについても、発注者の責務などをより明確にしていくよう考えておりますので、ご期待いただければと思います。
いずれにいたしましても、地球温暖化対策、インフラ再生、建設産業再生のため、引き続き全力で取り組んでまいりますので、ご支援をよろしくお願いいたします。
なお、昨年末の動向について、ここでご紹介いたします。
年末の12月24日(火)、島根県において建設産業の魅力発信や、建設産業を目指す女子に向けた情報発信を行っている「しまね建設女子魅力向上委員会」の皆さんが、恒例となりましたが、「建設産業イメージアップカレンダー2020」をご持参いただき、私どもの事務所にお見えになりました。
カレンダーに登場している中筋組の大野美夏さん、吉原木工所の藤原香さんにも足をお運びいただき、お仕事のエピソードについてお話を伺うとともに、初めてとなる国会見学を体験していただきました。ぜひ、来年もよろしくお願いいたします。
12月25日(水)、参議院国土交通委員会の自民党筆頭理事である酒井庸行参議院議員より台風19号により激甚な土砂災害を受けた地域をぜひ視察したいとのご要望を受けて、宮城県の丸森町にご一緒に伺いました。
ご案内は宮城県建設業協会の千葉会長、武山専務、西村専務、地元の廣谷副会長、東北建設業協会連合会の大槻専務、東北地方整備局の加邉河川部長、酒井道路部長等にお願いしました。
まず、丸森町耕野地区の国道349号の水没箇所に伺いました。10月28日に訪れた際には道路啓開が終わったばかりの状況でしたが現在は一般車両も通行していました。
この沿川は、河川事業の水防災事業で宅地嵩上げを行ってきた地域ではありますが、阿武隈川本川の増水により、流れて来た草が道路の上の電線に引っかかっている状況には驚きました。
国道については国による権限代行でバイパスを整備する構想があるとのことでしたが、ぜひとも東北地方整備局の力で何とか実現して欲しいと思いました。
続いて、現在も不通が続いている阿武隈急行のあぶくま駅に伺いました。
激しい土砂流出で被災した箇所の復旧が精力的に進められていました。
さらに、丸森町子安地区の大規模な土砂災害の現場を訪れました。猛烈な土砂崩れで巨大な岩石が落下してきて3名が犠牲になられた被災地区であり、10月に伺った際には入れなかった厳しい現場であります。一昨年の西日本豪雨の際の広島の土砂災害の現場と極似しているように見えました。台風19号の被災地では一番激烈な印象を受ける現場でした。
引き続き、丸森町の役場付近の内川、新川、五福谷川など18箇所で破堤した地区を訪れました。
こちらは直轄の権限代行で堤防の復旧が進んでいましたが、西日本豪雨でも発生した土砂洪水氾濫により堤内地や河道内に流入した大量の土砂により、家屋や農地が大きな被害を受けており、現在も土砂の除去作業が進められていました。なお、今後はこうした土砂の処分が大きな課題になると考えられました。
今後とも地域の大きな期待を受けて、国の支援で何とか早期の復旧・復興が進むよう期待したいと思います。
最後になりますが、新年に当たって各方面からたくさん賀詞交換会等のご案内をいただいています。しかし残念ながら、他の日程と重なってしまい出席が叶わないところ、代理出席となってしまうところなどが数多く出てくると思います。心からお詫びを申し上げます。
なお、次の機会には何とかお伺いしたいと思っておりますので、ぜひとも引き続きお声かけをいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
これから、寒さも増し、北国では雪も予想されます。建設産業の出番ではありますが、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。